社外品マフラーは違法か 排ガス規制、英国整備工場の「有罪」判決で矛盾が明らかに
社外品の「グレーゾーン」
自動車に違法な改造を施したとして、英国の整備工場が有罪判決を受け、排ガス規制に関する社外品マフラーの「グレーゾーン」がにわかに注目を集めている。 【写真】エンジン無しでも楽しめるのか? 新時代の電動ホットハッチ【ヒョンデ・アイオニック5 Nを写真で見る】 (15枚) 昨年11月、イングランド北部ウェイクフィールドを拠点とするAETモータースポーツ社は、触媒コンバーターを取り外し、エンジン・コントロール・ユニット(ECU)を改造して騒音レベルを上げ、公道走行を違法とする改造を行なったと指摘され、裁判所から7234ポンド(約135万円)の罰金を命じられた。 この訴訟は自動車基準当局(DVSA)によって提起されたものであり、担当判事はAETモータースポーツ社に対し、事業者は法律を知る義務があると述べた。しかし、この事件を巡り、英国の事業者間で動揺が広がっている。 自動車整備工場を運営するオートダイナミクス社のジェームス・ウィルズ取締役は、裁判所の判断は正しいが、この事件で排ガスに関する英国の法律の矛盾が露呈しており、解決しなければならないと主張する。 「公道走行可能なクルマのデキャット(De-Cat、触媒を取り除くこと)は違法であり、車検不合格の原因になります。そのため、ほぼ同じ性能を得られるスポーツ触媒コンバーターを装着するのが一般的です。しかし、車検を通すには十分ですが、クルマの型式認証の段階で設定された排ガス規制を満たしているかどうかは疑問です」とウィルズ氏は言う。 マフラーの触媒は、排ガスから有害な成分を取り除く浄化の役割を担っている。クルマのチューニングにおいては、排ガスのフロー(流れ)を改善するために触媒量の少ない「スポーツ触媒」に交換するケースがある。英国では、いわゆるアフターマーケット品の触媒の量は、条件付きで純正品の半分以下であってもよいとされている。 その条件とは、欧州のEC型式認証マーク(eマーク)を取得した商品であること、エンジンに負荷がかかっていない低回転域で排ガスが規制値内に収まっていることであり、これらを満たせば車検に通すことができる。