なぜ台湾で抗議デモが頻発しているのか?/台湾
■国会占拠で高まった、政治への「関心」と「不信感」 なぜ、台湾で、こうした活動が頻発するようになったのか? それは多くの市民や学生らが、「ひまわり学生運動」によって、政治への「関心」と「不信感」を高めた結果といえるだろう。今まで政治に無関心だった人々が、「なぜ学生たちは、そこまでして必死にこの協議を止めようとするのか」という疑問を持ち、議場内を占拠するという前代未聞の事態が発生したことについて、自らネットで検索し、騒動が発生している生の現場を目で見て確かめたいと感じたことが大きいようだ。多くの人々が改めて政治について考えるようになったことで、抗議運動参加へのハードルが低くなったことは否定できない。さらに、密室での協議、警察による暴力的な強制排除、安全性に疑問の多い原発建設、与党議員による不祥事や隠ぺいなど、次々と起こる問題に対する政府・与党への「不信感」も、こうした活動への原動力となっていることは間違いないだろう。 ■民主化のために結束し、政治の動静を監視する台湾市民 今まで政治に無関心だった学生や市民らが、政治家の言動や国会での動静を監視する動きも強まっている。政治的に何か大きな問題が発覚すれば、即座にネットなどでシェアされ、数時間後にデモが発生。このような動きは以前から一部あったとはいえ、「ひまわり学生運動」以降に一段と加速化した。しかし、「ひまわり学生運動」によって、政府・与党側が市民らの意見に耳を傾けるどころか、デモの取り締まりが一層強化され、国民党議員が車のボンネットに市民を乗せたまま暴走する事件や、強引な法案の可決が続くなど、以前よりも目に余る対応が続いている。こうした動きが続くようであれば、第二の「ひまわり学生運動」が発生する可能性は充分にある。ただし、大企業の経営者や富裕層には、政府・与党の支持者が多いのも現実だ。結束と監視を進める市民らに対して、馬政権や与党は今後、一体どのような行動をとるのか注目される。 (文責:TomoNews/台湾)