「トロッコ問題で誰を見殺しにするか」の回答はGoogle「Gemini」とマイクロソフト「Copilot」でどれだけ違う?
「1人」が家族だった場合のメリット・デメリットを洗い出して採点
今回は「レバーを引いて5人を助け1人を犠牲にする」「何もせず1人を助け5人を犠牲にする」メリットとデメリットを5個ずつ洗い出し、その各項目に10点満点で点数をつけてもらうという検証方法を行いました。 メリットの場合は「10点」がベストの選択、デメリットの場合は「10点」が最悪の選択であるという条件付けをし、トロッコ問題への回答を考えてもらいました。 「メリット合計ーデメリット合計」がプラスであればあるほど基本的には優れた判断です。「5人を助ける」「1人を助ける」に点数差があまりない場合は「メリット評価」が高いほど優れた選択であると言えます。 先にもご紹介した通り、「1人」「5人」が同じ一般人ならば「5人」を助けるほうがメリット合計がデメリット合計を大きく上回ります。 では、犠牲になる「1人」が家族である場合はどうでしょうか。5人を助けても全員が他人であり、1人を助ければ家族の命を救える場合を想定してみました。 ■Google(Gemini)の回答 Googleの回答は「1人を助けた場合」と「5人を助けた場合」のメリット・デメリットの合計点が全く同じというものでした。
5人を助けた場合のメリットとしては「5人の命を救える(10点)」「社会的な貢献(8点)」といったものが主。一方でデメリットとして「家族を犠牲にする(10点)」「法的な責任(殺人罪の可能性)(8点)」といったものが挙げられています。5人を助けた場合はメリットが36点、デメリットが40点です。 一方で1人を助けた場合のメリットとしては「家族の命を救える(10点)」「心理的な安寧(罪悪感を抱かない)(8点)」「人間の尊厳の維持(家族を守ろうとした)(6点)」といったもの。一方で「5人の命を救えない(10点)」などがデメリットとして挙げられており、メリットが36点、デメリットが40点です。 つまり、Geminiにとっては「1人が家族」「5人が赤の他人」だとしてもトロッコ問題はどちらの回答を選ぶべきか判断がつかないものだと言えるでしょう。厳しく言えば倫理的な問題への判断力に欠けており、優しく言えば「利己的ではない」と言えるかもしれません。 ■マイクロソフト(Copilot)の「創造性モード」の回答 マイクロソフト(Copilot)の場合は、明確に「1人の家族を助ける」ことを支持しています。1人の家族を助けるほうが「メリット合計ーデメリット合計」でも、メリットのみを比較した際の数値でも「5人を助ける」を上回ります。