「検察なめんな」恫喝「取り調べ映像」 法廷で公開 冤罪の裏側に『検察トップ』の指示【プレサンス元社長冤罪事件】
■トップが決めたストーリー「この調書が作れるまで取り調べはずっとしろ」 ヤメ検弁護士が明かす「検察の文化」
さらに、『特捜部』に準ずる組織として地方都市に置かれる『特別刑事部』で捜査の経験がある西山弁護士は、その独特の文化を明かした。 元検事(特別刑事部)西山晴基弁護士:特捜部、特別刑事部の特徴ではあるんですけど、トップ(部長・主任検事)が決めたストーリーで、トップが『こういう(供述)調書を取ってこい』と。 その調書を取ってくるまでは毎日朝から夜遅くまで、取り調べから帰ってくるな、と。 実際に特別刑事部にいたときに、この調書作れるまでは取り調べはずっとしろ。 逆に、君が聞いたこの話のままでは、このままでは調書つくるな、と。
■検事自身も、身体的・精神的に追い詰められていく中 取り調べがエスカレート
特捜部は部長や主任検事をトップとする明確な上下関係の中で、一般の検事にチームの『駒』としての役割を求めるという。 元検事(特別刑事部)西山晴基弁護士:自分の取り調べが終わっていても、他の検事は取り調べをしているから、夜遅くなってもみんな帰れない。 要はある意味、検察官自身も拘束されているような環境を作られて、解散命令っていうんですけど、解散命令が出るまで帰れない。 もうどんな手段を使ってでも、この調書を取るためには話しをさせなきゃいけない。 検事自身も、身体的・精神的に追い詰められていく中で結果として取り調べがエスカレートしていくという実情があったのだ。
■地検特捜部は「山岸の逮捕は無理」という判断 異様な取り調べの裏側に 検察組織のトップ「最高検」からの指示
そして、関西テレビはプレサンス事件の捜査にかかわっていた検察関係者にも独自に接触。 取材に対し、なぜ特捜部があのような取り調べをしてまで山岸さん逮捕にこだわったのか、その裏側を初めて明かした。 プレサンス事件の捜査にかかわった検察関係者:主犯格の女性らを逮捕する段階では、大阪地検特捜部としては山岸の逮捕は無理、という判断だった。 しかし、最高検察庁から『この事件で一番得をしているのは山岸だ。山岸まで行くべきだ』と話があり、特捜部で再検討した。 方針は変わり、山岸逮捕までたどり着くべく、その材料を得るために元部下らから改めて話を聞くようになった。 明らかになったのは検察組織のトップ、最高検からの指示。 組織の絶対的な権力図の中で、特捜部は何としても山岸さんを逮捕しなければいけなくなった。 その中で起きたのが、山岸さんの関与をKさんに認めさせようとする、あの取り調べだったのだ。