「検察なめんな」恫喝「取り調べ映像」 法廷で公開 冤罪の裏側に『検察トップ』の指示【プレサンス元社長冤罪事件】
■独自入手の映像『違法な』取り調べの実態明らかに
大阪地検特捜部が大手不動産会社の社長を21億円の横領事件で逮捕・起訴し、その後の裁判で無罪になった事件。 関西テレビは、特捜部の取り調べ映像を独自に入手した。 『違法な』取り調べの実態に、国民の目に初めて触れる映像と、検察関係者への取材で迫る。 田渕検事:なんで嘘ついたの 元部下Kさん:嘘っていうか同僚… 田渕検事:嘘だろ 嘘をついて、まだ言い訳するなんて!ひどいだろ! 今回、関西テレビが独自に入手した映像には、大阪地検特捜部が手掛け冤罪を生んだ、巨額横領事件の取り調べの様子が記録されていた。 なぜこのような強引な取り調べをするに至ったのか。
■事件の背景に検察組織の権力構造 特捜部の「文化」
関西テレビは検察関係者らを新たに取材。 明らかになったのは、事件の背景にあった検察組織の権力構造と、脈々と受け継がれてきた特捜部の『ある文化』だった。 元検事(特別刑事部)西山晴基弁護士:トップ(部長・主任検事)が決めたストーリーで、トップがこういう(供述)調書を取ってこい、と。 その調書を取ってくるまでは毎日朝から夜遅くまで、取り調べから帰ってくるな、と。
■21億円の横領事件で逮捕・起訴されたプレサンス元社長 裁判で無罪に
ことの発端は5年前にさかのぼります。 不動産会社「プレサンスコーポレーション」の元社長・山岸忍さんは、2019年、21億円の横領事件で逮捕・起訴された。 山岸さんとしては、マンション用地として魅力的だった学校法人の土地を取得するため、学校の移転費用として必要だった18億円を、学校法人に貸したという認識だった。 しかし特捜部は、山岸さんを横領の共犯者と見立てて、土地の話を山岸さんに持ってきた元部下らを取り調べていた。 山岸さんが捜査段階から一貫して関与を否定する中、大阪地裁で下された判決は「無罪」。 検察はその後、控訴を断念し、判決は確定する。
■「こうやって無理に捏造していくもんなんや」 『冤罪を生んだ捜査の実態』を明らかにするため国家賠償請求訴訟を起こした元社長
山岸忍さん:なんでもっと丁寧に捜査してくれなかったんだろうなと、証拠に基づいてやってくれなかったんだろうな、と。 ドラマとか映画でね、(取り調べの)そういうシーン出てきますよね。 こうやって無理に捏造していくもんなんや、と。 無罪判決の後、山岸さんは『冤罪を生んだ捜査の実態』を明らかにするため、国家賠償請求訴訟を起こす。 その裁判の中で大きな問題とされたのが、特捜部が行った山岸さんの元部下に対する取り調べ。 特捜部は客観証拠が少ない事件の中で、元部下から何としても「山岸さんは横領に関わっていた」という供述を引き出す必要があった。 その過程で『違法な』取り調べが行われていたのだ。