鉄道存廃協議会が初会合 岡山・広島走るJR芸備線
岡山、広島両県にまたがるJR芸備線の一部区間の存廃を話し合う「再構築協議会」の初会合が26日、広島市で開かれた。利用が低迷する地方鉄道の再編に向け、国が積極的に関与して鉄道事業者と地元自治体との協議を進める新制度の第1号。議論の行方は、人口減少を背景に赤字が続く各地の路線見直しの動きにも影響しそうだ。 存廃協議の対象は備中神代(岡山県新見市)―備後庄原(広島県庄原市)間の68.5キロ。冒頭、議長の益田浩・国土交通省中国運輸局長が「鉄道の廃止ありき存続ありきという前提を置くことなく、具体的なデータに基づき議論を進めていく。ローカル鉄道を抱える全国の自治体などから注目される中での検討となる」とあいさつした。 JR西日本の広岡研二広島支社長は1990年度から2020年度にかけ、沿線人口は33%減なのに対し、利用者は88%減少していると指摘し「人口減を上回るペースで利用が減少している。バスやタクシーも含めた公共交通の全体をデザインすることが重要だと認識している」と述べた。