福岡大濠に惜敗するもインターハイ予選決勝で福岡第一が見せた成長の跡、井手口孝コーチは「だんだん手が打てるようになってきた」
井手口コーチ「速攻のレイアップのミスは10点分の価値があると伝えてきました」
先発起用された宮本ツインズも進化を見せている。この日はそろって6得点。ポイントガードの兄聡はディフェンスで魅せた。第3クォーターには体重で10kg重い大濠の榎木璃旺に当たり負けせず、バックコート・バイオレーションを誘った。さらにブレイクを許した場面では見竹怜からオフェンスファウルを誘発。1年の秋から試合出場を続け、蓄積した疲労もあり身体作りが遅れていた。トレーニングの時間、食事を増やし体重は4kg増量の59kgに。「フィジカル面で押し込まれることが減りました」と手応えをつかんでいた。弟の耀は5月の対戦で3ポイントシュート4本を含む22得点を挙げ、この日は2本に留まったが、八田と同時にコートに立った時間帯はバランスを取りながらプレーした。 試合後は第一の先発ガードとして敗戦の責任を感じていた。聡は「前回に続いて勝てる試合を落としてしまった。そこが大濠と第一の差。最後に勝ち切れるかどうかが本当の実力。決め切ることができなかったです」と言い、耀は「自分たちが勝たせられなかった部分が変わっていないのが悔しい。まだまだ練習不足です」と唇をかんだ。 井手口コーチは「速攻のレイアップのミスは10点分の価値があると伝えてきました。ブレイクを決め切れなかったのが大きかった」と振り返る。それでもこの2試合の内容は評価している。「これまでは打つ手がなかなかうまくいかなかったけれど、だんだん手が打てるようになってきたね」。 新チーム発足後の目標は地元開催のインターハイ優勝。「福岡2位」での出場となったが、九州大会を制すればシードを手にできる。ライバルの大濠に先を行かれているが、遠かった頂への道筋がようやく見え始めた。
山根崇