赤星憲広氏 阪神・藤川新監督へ「対話を大事にするリーダー貫いて」
【赤星憲広氏 球児にYELL】阪神・藤川新監督とゆかりのある人物が思い出を語るとともに、激励のメッセージを送る「球児にYELL」。今回は、現役時代の9年間を通じてチームメートだった赤星憲広氏(48=本紙評論家)が、ともに選手のまとめ役として尽力した当時を振り返り、来季からの監督像について思い描いた。 私が現役選手だったころ(01~09年)の06年から4年間、選手会長を務めたのですが、その時の副会長が藤川球児でした。「投手陣の方は僕がまとめますから」と率先してくれて、タッグを組んでやりました。というより、私の負担を軽減しようとしてくれました。 その時からリーダータイプでした。当時、私はまだ30歳になってすぐ、4歳下の球児は20代後半です。金本知憲さんや矢野燿大さん、下柳剛さん、桧山進次郎さんら、たくさんいた先輩方ともコミュニケーションを取っていたし、後輩たちのことも気にかけていた。当時から自分の意見をはっきりと言える男で、チームを良くしようと行動していました。 自分の意見をみんなに伝える、そして相手の意見をしっかりと聞く。常に会話、対話を大事にする。タイガースの監督になっても、その部分は変わらないんじゃないかな。新しくなるコーチ陣と意見交換して、みんなでこういうチームをつくっていこうと明確にしていくと思います。 指導者経験がなく監督になったので、ここからはこういう野球をするのかなという私の推測ですが、投手陣はエッという配置転換が見られると思う。球児自身もリリーフになってから飛躍したように適材適所が力を発揮するきっかけになることを知っていますから。 攻撃の方はおそらく自分が現役時代にやられてイヤだったことを中心に考えるのではないでしょうか。球児は、例えば無死一塁の時は走ってきたり機動力を使われるのを嫌がっていました。あれだけけん制やクイックがうまかったのに、です。バントしてくれて1死二塁になった方が打者を抑えることに集中できるから、そっちの方がいい…というタイプ。なので監督になればその逆で、バントという作戦はあまり多くなく、盗塁やエンドランをどんどん仕掛けていくのかな? 連打連打連打では、なかなか得点できないと思っているでしょうから、じゃあ、どうすれば1本の安打で効率良く1点を取れるのか。いずれにしても、今から新生タイガースが楽しみでしかありません。 (本紙評論家)