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人口減少日本で何が起こるのか――。意外なことに、多くの人がこの問題について、本当の意味で理解していない。そして、どう変わればいいのか、明確な答えを持っていない。 【写真】日本人は「絶滅」するのか…2030年に百貨店や銀行が消える「未来」 100万部突破の『未来の年表』シリーズの『未来の地図帳』は、20年後の日本人はどこに暮らしているのか？人口減少が「10年後、20年後の日本のどの地域を、いつごろ、どのような形で襲っていくのか？についての明らかにした書だ。 ※本記事は『未来の地図帳』から抜粋・編集したものです。 「200万都市」が目前に迫ってきた札幌市だが、北海道全体で見れば、1年間で3万人も人口が減っている。「札幌一極集中」の内実とは？

道内人口の3分の1超が集まる

新千歳空港からの電車を降り立つと、駅前の繁華街の人の多さに圧倒される札幌市だが、2019年4月1日時点で196万5161人を数え、「200万都市」が目前に見えてきた。いまだに人口増加は続いている。 だが、総務省の「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(2018年1月1日現在)によれば、自然減は4866人で大阪市に次ぎ全国ワースト2位。これに対して、社会増は全国6位の9720人となっており、出生数の減少を人口の流入で補っているのが実態だ。 「2016年度札幌市の人口移動─転入・転出及び通勤・通学人口のうごき」によれば、2015年の札幌市に北海道全体の36.3％が集まっており、道内人口の3分の1以上を占めている。道内から人口をかき集める形で“札幌一極集中”が進んでいるということだ。 では、どこから札幌市へと人々は集まって来ているのだろうか？ 2017年の人口移動状況を詳細に解析した創生本部の人口移動分析概要によれば、道内各地からの転入超過を総計すると1万1682人で、道内全般から流入している傾向が見てとれるが、とりわけ大きな“人材供給地”となっているのが旭川市(転入超過1117人)と函館市(同708人)だ。 この2市を除く道内各市町村からの札幌市への転入は3万2433人、転出は2万2576人で差し引きすると9857人の転入超過だ。 これだけを見れば、「200万都市」の実現も夢でないと思えるが、そう単純ではない。北海道の人口が大きく減っているためだ。前出の「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」によれば、2017年1月1日からの1年間で3万1268人の減少である。 これは全国でも突出して大きな数字だ。北海道は人口530万人を超す人口規模なので、減少の絶対数も大きくなるのは仕方ないところだが、同規模の兵庫県(約560万人)の減少幅は1万6837人である。単純に比較するのは乱暴ではあるが、それにしても2倍近い開きがある。 北海道の人口減少率は年々拡大しており、この傾向が続けば、札幌市は道内各市町村から人口を集めたくとも集められなくなる。 もうひとつ、「200万都市」実現の大きな壁になっているのが、札幌市から東京圏への人口流出だ。創生本部の人口移動分析概要によれば、東京圏へと引っ越した人は1万5471人で、3082人の転出超過となっている。