女子ゴルフ・原英莉花「米ツアー最終予選落ち」で来季は“マイナー”挑戦も 成否の鍵は「師匠・ジャンボ尾崎の宿題」
米国の地で日本勢は圧巻の強さを見せた。12月10日、来年の米女子ゴルフツアー(LPGA)の出場権を懸けたQシリーズ(最終予選会)が全5日間の長丁場を終えた。25位以内がツアー序盤戦の出場権を獲得できるが、山下美夢有(23)が全体トップ通過した。 【写真】かつて、デコルテ露わな勝負服で完全復活した時の原英莉花。ボーダーギリギリの24位で滑り込んだ原の後輩・馬場咲希
「山下以外も双子の『岩井ツインズ』は千怜(22)が2位、明愛(22)が5位、吉田優利(24)が9位と軒並み上位でフィニッシュ。日本ツアーの試合の上位争いかのようでした。またボーダーギリギリの24位で馬場咲希(19)が滑り込みました」(国内ツアー関係者) 馬場は高校2年時の2022年に全米女子アマチュア選手権を制した有望株。今季、日本ツアーを経ず米国の下部ツアーに挑戦したのが報われた形だ。トップ選手が出場権を得るなか、憂き目を見たのが最終ラウンド前にカットされた原英莉花(25)。 「スコア誤記で失格になった昨年に続いて、今年も出場権獲得は叶いませんでした。ですが、ラウンドを終えた原は『自分の気持ちは動かない』『(来年は下部ツアーの)エプソンに行くと思う』とコメントしていた。野球のメジャーリーグで言えばマイナーの3Aのような形ですからなかなかの覚悟です」(同前)
後輩・馬場の成長
原は日本ツアーで5勝を挙げている。ほかの選手に引けを取らない実績だが、明暗はどこで分かれたのか。プロゴルファーの沼沢聖一氏が語る。 「身長173センチと恵まれた体格の原の飛距離は世界レベル。ですがやや調子にムラがあり、特にパターの精度が課題でしょう。Qシリーズは2つの異なるコースを交互にプレーする特殊な方式を取っています。当然、グリーンのスピードも傾斜もまるで違うため、そのコースに対応することが求められます。山下選手や岩井姉妹と比べるとその精度に差が出た」 だが、沼沢氏は下部ツアー挑戦が結果的に原を成長させるきっかけになるのではないかと見る。 「下部ツアーは色々なコースで開催され、コンディションもマチマチ。コースに対する判断力などが鍛えられると思います。馬場も1年間やって力をつけました。原の師匠であるジャンボ尾崎は『原は、ひとつずつは凄いがスコアメイクが下手だ』と言っていた。米ツアーで戦うためには安定感を身につけられるかが課題でしょう」(同前) 屈指の人気を誇る選手だけに期待も大きい。来季は下部ツアーから這い上がれるか。