オフィス内でスマホを「充電」したら給与から電気代を差し引くといわれました。支払う必要はあるのでしょうか?
スマートフォン(以下スマホ)をプライベートだけでなく、仕事に使う方もいらっしゃるでしょう。その場合問題となるのが、会社で充電してもいいかという点です。 今回は、会社でスマホを充電する行為は問題なのか否かを解説します。思わぬトラブルが起きないよう、電気の取り扱いに関するポイントを正しく理解しておきましょう。
半数以上の方が会社でスマホを充電している?
株式会社マイナビでは、「職場でのスマホ充電についての調査」を実施しています。その結果より、会社でスマホを充電している人の割合は55.9%と、半数以上の方が経験していることが分かりました。 さらに、会社でスマホを充電してもいいと考えている人は76.8%にも及びます。その理由としては、以下の回答が見られました。 ●スマホを会社の仕事でも活用するため ●プライベート用のスマホにも会社から連絡が来ることもあるため ●緊急時に対応できないと困るため 上記の声のように、仕事でもスマホを使用する場合は、会社で充電しながら使っている方が多いようです。
法律的には「窃盗罪」とみなされる可能性がある
半数以上の方が会社でスマホを充電していることが分かりましたが、法律的観点でいうと、私的用途で会社契約の電気を使用することは「窃盗罪」にあたる可能性があります。 窃盗罪とは、他人の財物(電気や液体、気体などを含む)を許可なく使用したり、持ち出したりした場合に課せられる罪です。 万引きやひったくりなどの事件が多いですが、今回のように会社契約の電気を無許可で使用した場合(業務に関係のない場面)も対象となる可能性があるので注意が必要です。 ここで重要なのは、会社がスマホの充電を許可しているかという点です。仕事でスマホを使用する場合であれば、業務に必要な行為なので問題ない可能性が高いでしょう。 しかし仕事では使わないにもかかわらず、私的用途かつ無許可でスマホを充電する行為は法律違反とみなされるおそれがあるようです。
会社の電気を私用する際の注意点
会社の電気を無許可で私的用途に使用することは、備品を勝手に使うことと同じです。電気代は費用が明確ではないことや、スマホを充電するだけであればさほど料金がかからないことなどの理由から、安易に考えている方も多いかもしれません。 しかし、本来会社でスマホを充電する場合には許可を取り、社内ルールを確認する必要があります。 会社によっては、公私関係なくスマホの充電を許可しているパターンや、業務で使用するスマホの充電であれば許可しているなど、決まりはさまざまです。今回のケースのように、スマホの充電が許可されておらず、かかった電気代を請求された場合には、それに従わなければならない可能性があります。 思わぬトラブルを回避するには、会社でスマホを充電してもいいのかを確認して、正しく許可を取ることが大切といえるでしょう。