「全てのシーンが愛おしい」絶賛集まる『SCRAPPER/スクラッパー』、監督インタビュー&アザーポスター4種公開
<シャーロット・リーガン監督 インタビュー>
■シャーロット・リーガン(監督) ――ジョージー役のローラは、オーディションで選ばれたそうですが、彼女から輝くものを感じたとおっしゃっていました。ただ、同時に個性が強すぎて大変だったとも…。そのときの様子を教えていただけますか? 当時、まだ10歳だったと思いますが、緊張していたのか、人見知りなのか、私たちが質問したことに全く答えてくれず、近所にあるショッピングセンターで売っているお気に入りのロウソクについて話し始めたんです。それ以外はほとんど何も喋らない…。変わった子だなと思っていたんですが、いざカメラで撮ってみると、私もプロデューサーも顔を見合わせて思わず歓喜しました、「ジョージー役は彼女しかいない!」と。ところがローラは、すぐに「イエス」とは言ってくれなかったんです…。 ――でも、オーディションはローラ自身の意志で来たんですよね? オンライン広告を見て来てくれたそうなので、この企画に惹かれてはいたんだと思います。ただ、演技経験がなく、私たちに対しても懐疑的だったので、不安があったのではないでしょうか?これは後々わかるのですが、ローラは人を見る目が非常に厳しく、本当に信用できる人としか関わらないところがあるんです。ですから、彼女の家に何度も足を運び、紅茶とビスケットをいただきながら信頼関係を少しずつ築いていって、ようやくOKをもらえたという感じです。 ――立場が逆転しているところが面白いですね(笑)。ローラは、演技に関しては全くの未経験者だったのですね? TikTok世代なので、演技の学校に通って基礎を身に着けるとか、そういう発想はないようです。普段はSNS上で、有名な映画のワンシーンを再現したり、俳優の動きを真似たり、独自のパフォーマンスを配信しているようです。 ――実際に撮影してみて、ローラは期待通りの演技を見せてくれましたか? ジョージーも親友のアリもそうなんですが、脚本上ではキャラクターをゆるく設定してあるので、ローラたちの個性に合わせてどんどんプランを変えていったという感じです。ただ、撮影初日は大変でした。父親のジェイソン(ハリス・ディキンソン)が残したボイスメッセージを聞きながら、いろんな思い出がフラッシュバックする大切なシーンをいきなり撮ることになったんですが、ローラは前日のリハーサルにも参加せず、このまま演じてくれないんじゃないかとドキドキしていたんです。ところが撮影当日、姿を現した彼女は完璧に準備ができていて、私たちの想像を遥かに超える素晴らしい演技を披露してくれました。この日を境に、ローラは何かに解き放たれたよう演技を楽しんでいました。