なんとドリフトマシンとしてD1にも参戦! かつてダイハツのフラッグシップだった「シャルマン」が激熱のクルマだった
ダイハツがラインアップしていたFRセダン
軽自動車やコンパクトカーを得意とするイメージの強いダイハツだが、1970年代はまさにそうで、主力車種のほとんどが軽自動車で、乗用車はリッターカーのコンソルテのみという時代だった。 【写真】今出せば売れるはず!? ダイハツ・ラガーというクロカン四駆を君は知っているか!? そんな1970年代のダイハツが、コンソルテからステップアップするユーザーを取り込もうと1974年にリリースしたのが、4ドアサルーンのシャルマンだった。 デビュー当時は1.2リッターと1.4リッターエンジンを搭載し、現在ではコンパクトカーの部類に入る排気量ではあるが、ダイハツのフラッグシップモデルも兼ねていたため、フロントマスクには同クラスのライバルにはない、デュアルヘッドライトを備えるなど、上級な雰囲気を醸し出していた。 ただこのシャルマン、じつは当時はすでにモデル末期となっていた2代目カローラをベースとしたモデルで、フロントドアパネルなどはカローラのものがそのまま使われていたのだが、前述したようにダイハツのフラッグシップモデルとして、当時のエントリーモデルに与えられていた「スタンダード」グレードが用意されない徹底ぶりだったのだ。 そんなシャルマンは、1981年に2代目モデルへフルモデルチェンジ。2代目も引き続きカローラのプラットホームを共有しており、ベースとなったのは4代目となる70系カローラとなっていた。 パワートレインはカローラと共通であったものの、デザインはダイハツ独自のものとなり、6ライトの上級感のあるスタイルとなっていたほか、引き続きフラッグシップモデルとしての役割も兼ねていたため、カローラよりもソフトな味付けの足まわりとなっていたのも特徴だった。 そんなシャルマンは前述したように70系カローラのプラットホームを使用しており、このシャシーはあのAE86にも転用されていることからもわかるように、FRレイアウトをもつものとなっている。 そのため、AE86のチューニングパーツやノウハウの多くを使用することができ、名機4A-Gへの載せ替えはもちろん、よりハイパワーなエンジンへの換装例もあり、過去にはD1グランプリへの参戦実績もあるほど。 1990年代ではハズしのマイナー車ベースのドリ車として稀に見かける機会もあったが、すでに旧車となった現在では、オリジナル状態の個体も含め、街なかで見かけることはほぼない希少車となっている。
小鮒康一