「10万曲以上が消えた!」外付けHDDの故障でデータ復元不能になってわかった「HDDの寿命は短い」という事実、それでも「ショックは少なかった」理由とは
音楽はサブスクやYouTubeで聴ける
それにしても10万曲以上もの楽曲データが“消える”となれば、かなりショックな出来事だとしてもおかしくはない。しかしAさんは「意外とそうでもなかった」と話す。 「正直、それらのデータがなくても音楽は聴けますからね。今音楽を聴く手段はサブスクやYouTubeが多く、自分で持っているデータを再生することはあまりない。もちろん10万曲のデータにはサブスクに入っていない曲もありますが、元となるCDを持っているのが不幸中の幸いでした。 CDを中古ショップに売っていたり、レンタルCDから取り込んだものだったりしたら、確かにデータ消失は痛いですが、持っているので、聴きたくなればまた取り込めばいいだけのこと。ネット上で無料公開されている楽曲は、またダウンロードすればいいですからね。手元にデータを置いておく必要がないといえばないんです」 そもそもそのHDDに最後にアクセスしたのがいつかも覚えていないという。 「最近は、CD を買ったとしても、曲はサブスクで聴くことがほとんど。動画を保存するような機会もなかったし、写真などは基本的にクラウドに保存。外付けHDDが必要ない状況が続いていました。 今回OSをアップデートしたことで、外付けHDDが認識されないことが発覚しましたが、実はもっと前から認識されていなかったのでしょう。そう考えると、自分にとって外付けHDDはもはや必要なかったわけです。10万曲のデータを保存していたのも、結局は自己満足。必要のない大量のデータを失った結果、無駄なこだわりを捨てることができたような気がして、逆にすっきりした気分です」
頻繁にバックアップをとることの重要性
とはいえ、「HDDはいつか壊れる」ということを知ったAさんは、大切なデータに関しては、頻繁にバックアップをとるようになった。 「外付けHDDだけでなく、パソコン内蔵のHDDも壊れる可能性があると考えると、結構怖い。消えたら困るデータはクラウドに保存して、自宅のデスクトップパソコンだけでなく、持ち運び用のノートパソコンやスマホでもアクセスできるようにしています。 特に重要なデータや容量の多い動画などは、外付けHDDにバックアップをとっています。その外付けHDDは、もう“壊れていたことに気づかない”ということがないように、定期的にチェックするように心がけるつもりです」 Aさんの場合、大きなダメージを受けることはなかったが、取り返しのつかないことにならないとも限らない。デジタル時代、何らかの方法でバックアップをとることだけは忘れてはならない。