「僕なんて死んじゃえばいい」発達障害の息子と“情緒学級”求め転居…支援必要な児童「10年で2倍以上」も地域でバラつく対応
一斉教育の枠「つらい」子どもに居場所の選択肢を
2023年の文部科学省の学校基本調査によると、自閉症・情緒障害で特別支援学級に所属する児童は全国で14万548人(公立のみ)と、2013年の同調査結果(5万3147人)の2.6倍になる。 発達障害について理解が進んだことも増加要因のひとつと考えられるが、少子化が進むなか、発達障害と診断される子どもは増加している。東京都教育委員会は、今後の情緒学級の設置についてどのように考えているのだろうか。 東京都教育庁 都立学校教育部 特別支援教育課の袴田紗依子課長は、「特別支援学級や通級指導学級については、都が設置に関する方針を示すものではなく、区市町村が地域の実情に応じて設置を判断している」と話す。 今後求められる支援について、前出の三井田さん(墨田区 発達障害の子どもを持つ親の会代表)は「通常学級で一斉教育の枠に押し込まれたとき、発達障害の有無に関わらず、枠からはみ出てしまう子どもや、つらいと感じる子どももいる。情緒学級をはじめ、学内フリースクールなど、本人の状態に合わせて選べる居場所があれば」と話す。特性や困り事がある子どもたちへの、十分な教育支援体制への道のりは遠い。 笠井ゆかり 大阪府出身。大学卒業後、NHKに入局し地方局で司法・警察取材を担当。生命保険会社への転職や結婚・出産を経て、2020年にフリーライターとして独立。主に子育てにまつわる社会問題を取材し、東洋経済オンラインなどのウェブメディアで執筆中。
笠井ゆかり