「視聴者目線で見たことがない作品を作りたかった」Netflixシリーズ『地面師たち』大根仁監督インタビュー
物語の先を生きるキャラクターたち
―――最後に、ずばり『地面師たち』の続編はあるのでしょうか? 「うーん、どうですかね。Netflixシリーズって、基本的に続編が作られそうなものが求められるんですが、実際に続編が作られる作品はごくわずかなんですよね。で、その条件は、まずシーズン1が大ヒットするという。 ただ本作は、おかげさまで国内では大ヒットしましたし、世界中でも観て頂いているので、今後続編の話は出てくるのかな、とは思っています。終わり方が終わり方なので、ちょっと難しいかもしれないですが(笑)」 ―――(笑)確かに、本作は、きれいに終わった感がありますね。 「ただ、僕の場合、作品をきっちり終わらせないオープンエンドが好みなんですよね。というのは、キャラクターが作品を超えてどこかで生きているという実在感を感じさせたいと思っていて。 例えば『モテキ』(2011)だったら、あのあとしばらくして2人は別れて、藤本幸世(森山未來)は、WEBのコタツ記事とか書いて稼いでるのかな、とか、松尾みゆき(長澤まさみ)は、どっかのサブカル系雑誌の副編集長くらいになっているのかな、とか、そんなことをふと考えたりするんですよ。 なので、『地面師たち』も自分の頭の中ではハリソンは新たな地面師詐欺を準備していそうだし、拓海もなんらかの形で生きている。ただ、今回の作品は実際の事件が元になっていたことが、とても重要だったと思っているので、どこかでまた派手な地面師詐欺が起きたら、原作の新庄先生のところに相談に伺うかもしれませんね(笑)」 ―――(笑)是非とも続編に期待したいと思います。ありがとうございました。 【大根仁 プロフィール】 1968年生まれ。テレビドラマ「モテキ」「共演NG」「エルピス–希望、あるいは災い–」などの話題作を数多く手掛ける。2011年に劇場版『モテキ』で映画監督デビュー。その他の映画作品に『バクマン。』『SCOOP!』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』など多数。2019年に外部演出家として初めてNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」に参加。『モテキ』で第35回日本アカデミー賞話題賞 作品部門、『バクマン。』で第39回日本アカデミー賞優秀監督賞、「エルピス–希望、あるいは災い–」で第60回ギャラクシー賞テレビ部門 大賞など多くの賞を受賞。Netflixシリーズ「地面師たち」が初の世界同時配信作となる。
映画チャンネル編集部