坂東祐大×角野隼斗が音楽談議。「日本と海外のコンサートホールの違い」で盛り上がる
ピアノニスト・角野隼斗が、音楽家・坂東祐大と現代音楽を中心とした音楽談議をおこなった。 この内容をお届けしたのは、J-WAVEで放送中の番組『ACROSS THE SKY』(ナビゲーター:小川紗良)のコーナー「TOKYO TATEMONO MUSIC OF THE SPHERES」。このコーナーでは、角野隼斗が、音楽を通したさまざまな“出会い”をもとに、楽曲とトークをお届けする。ここでは、6月9日(日)のオンエアをテキストで紹介する。
坂東祐大の音楽を知ったきっかけ
ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』、映画『竜とそばかすの姫』などの音楽で話題を集め、米津玄師との共同編曲、宇多田ヒカルの編曲及び指揮なども手掛けている坂東祐大。1991年生まれの大阪府出身だ。東京藝術大学音楽学部作曲科を首席で卒業し、同修士課程作曲専攻修了。異化や脱構築による刺激と知覚の可能性などをテーマに、幅広い創作活動をおこない、作品はオーケストラ、室内楽から、立体音響を駆使したサウンドインスタレーション、シアター・パフォーマンスなど多岐に渡る。 坂東:(自分はこのコーナーの)初のゲストなんですか? 角野:はい。このコーナーは4月に始まったのですが、記念すべき1人目のゲストです。ありがとうございます。もともと坂東さんのことを初めて知ったのは米津玄師さんの『海の幽霊』でした。 坂東:たまたま呼んでくださって、「なんで僕が?」という感じでした(笑)。 角野:聴いて「なんだこの曲、めちゃくちゃカッコいいじゃん!」と思って調べたら坂東さんという方が編曲をやっているらしいと知ったんです。ストリングスの使い方とか、あまりJ-POPで聴かないような表現だなと思いました。 坂東:僕、あまりJ-POPがわからないんですよね(笑)。 角野:それが僕には面白かったです。本当にいろんなところでご活躍されていますね。 坂東:いえいえ。現代音楽をホールで細々とやっている感じです(笑)。 角野:J-POPとか映画音楽とかに行こうとは思っていなくて、たまたまって感じなんでしょうか? 坂東:呼んでくださるから拒むのもなあ、という気持ちもあったりして(笑)。やっぱり、呼んでくださると嬉しいじゃないですか。映像はやってみたいなと思っていました。というのも、コンサートホールで演奏するだけだと生活が成り立たないんですよね。それは昔からそういうもので、ちゃんと自分の作品は書くけどサブワークもちゃんとされているんですよ。なので、小さい頃からそういうものなんだろうなと思ってはいました。 角野:なるほど。 坂東:そのなかで何が一番(自分にとって)近いのかなと考えた結果、映像をやってみたいなという思いがありました。たとえば、アメリカだったら映画音楽の作曲をするコースがあったりするんですけど、僕はそういったところで学んだことはまったくないんです。作曲を藝大で勉強してきただけなんですよね。