「オリンピックもやらねんだもん。無理だよな」――祭りの「消えた」街、来年の確約もできない中で【#コロナとどう暮らす】
神社としては、もう一つ別の心配もある。正月三が日の初詣に代表される、年始の活動だ。例年なら、境内が人で埋まる。ときに数百メートルにも及ぶお参りの行列、数十人が密状態になる室内での祈祷・御祓……。 「ソーシャルディスタンスに配慮した間隔を空けてもらってさらなる行列を受け入れるのか、氷点下もある寒さのなかでの換気をどうするのか、あるいは初詣をも予約制にしてしまうのかなど、考えることが山積みですね」 参拝前に手と口を清める手水舎の柄杓を撤去したり、祈祷時のお神酒を取りやめるなど、「新しい様式」を取り入れてはいるが悩みは尽きない。何が正解なのか、全て手探りだ。
「人出も収入も、正月期間の占める割合が非常に大きい。ここをなんとか乗り切れないと、神社そのものが立ち行かなくなるおそれがあります。ほかの神社も同じ悩みを抱えていて、神主が顔を合わせるとこの話になっちゃいますよね」
コロナ禍の行方が不透明ななか、迎えることになる初の年末年始。そして来年の例大祭。石崎さんがこうこぼした。 「とにかく考えられること、やれることは全てやる。もう最後は神のみぞ知る、ですよね」