なぜ寒さとともに、首や肩のコリはつらさが増すの? 起床時は全身のこわばりを感じる人に
寒さとともに、首や肩のコリはつらさが増すばかり。とりわけ起床時は全身のこわばりを感じる人も多いでしょう。簡単で効果が期待できるストレッチ方法を指南してもらいました(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/岩田正恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》) * * * * * * * ◆コリの最大の原因は、姿勢の悪さ 近年、年齢を問わず、首や肩のコリを訴える人が少なくありません。そもそもコリは、なぜ起こるのでしょうか。 「最大の原因は、姿勢の悪さです。とくによくないのが前かがみの姿勢。スマホ、PCの使用や家事などで前かがみになると、重さ約5キロもある頭を支えるため、首の後ろや肩、背中の筋肉に大きな負荷がかかります」と話すのは、ストレッチや筋トレについて研究している中村雅俊先生です。 筋肉は、対になってバランスを取っています。上半身の場合、体の前側に大胸筋という大きな筋肉があるのに対し、背中側は小さな筋肉の集合体。大きな筋肉ほど引く力が強いため、気をつけないと前に引っ張られて前かがみになりがちなのだとか。 「首の後ろ、肩、背中の筋肉は、上体を後ろに引き戻すために働き続けることで、疲労がたまります。次第に引き戻す力が衰え、やがて猫背になるのです」(中村先生。以下同)
◆気温の低さが追い打ちをかける 日常生活で筋肉を大きく動かす機会が少ないことも追い打ちをかけます。 「筋肉は動かさないと柔軟性を失い、硬くなります。それをコリやハリとして感じるのです」 さらに拍車をかけるのが、冬の寒さ。 「気温が下がると、体熱が奪われないよう、体を縮めて外気に当たる面積を小さくします。体が縮こまると、筋肉も縮む。これも筋肉が硬くなる一因です」 筋肉の硬化は、関節の動きにも悪影響を及ぼします。 「関節は、筋肉が伸縮することで動くのです。筋肉が硬くなると、関節の可動域も狭まるため、肩が上げづらい、歩くときに足を上げづらいといった不具合につながります。コリを解消し、筋肉の柔軟性を取り戻すためには、日常的にストレッチやトレーニングなどで筋肉をほぐし、鍛えることが重要です。積極的に行えば、筋肉の柔軟性はいくつになっても取り戻すことができます」
中村雅俊