箱根駅伝 ほろ苦い山上りデビュー 順大5区・川原(五島南高出身・長崎県)
ほろ苦い箱根デビューになった。1年生で山上りの5区を走った順大の川原(五島南高出身)は区間13位。「ラスト1キロは意地を出せた。けど、後半から下半身がしびれて、常に気持ちが焦ってしまった」。最後に粘れた手応えよりも、悔しさが大きかった。 高校時代は駅伝部のない同校から県代表に選ばれ、昨年1月の全国都道府県対抗男子駅伝1区で区間賞を獲得して注目された。「山上りの5区を絶対に走る」と強い思いを持って、11度の優勝を誇る順大に進んだ。 1人で農道を走り続けた高校時代とは違い、集団練習や上下関係は新鮮で、楽しみながら毎日を過ごしてきた。昨年11月の上尾シティハーフマラソン(埼玉)で自己ベストの1時間2分45秒をマーク。諫早高出身の長門俊介監督(40)から「川原は山上りを恐れる気持ちがない」と評価されて5区を任された。 順大は今季からOBで初代「山の神」として知られる今井正人さん(40)がコーチを務めている。「走るときは腰を前に出すイメージを持って」「腕を振って自分のリズムを」など山上りのコツを教えてもらってスタートラインに立った。 11位でたすきを受けた。走り出すと思ったよりも緊張はしなかった。上りに入ってから苦しくなったが、長門監督から「きついかもしれないが、我慢して踏ん張れ」と背中を押してもらった。しびれと焦りで十分に力は出し切れない中、仲間や長崎で応援してくれる人たちの顔を思い浮かべて歯を食いしばった。 13位に順位を落とし、悔しさが募る。18歳のルーキーは「経験を糧に、しぶとく、強くなる」と心に誓った。