二階元幹事長「次期衆院選出馬せず」一足早い“詰め腹”で始まる岸田首相“スターリン並み”80人大粛清計画
「党の浄化をおこなう」 これを大義名分に、“大粛清”で政敵を葬り去ったのは、悪名高いヨシフ・スターリン。近ごろは似た言葉が、本邦でも飛びかっている――。 【画像あり】高級老人ホームから車椅子に乗ったまま移動する森元首相 いまだに収拾がつかない自民党派閥の裏金事件。政治倫理審査会(政倫審)に出席した自民党議員は、岸田文雄首相をはじめ計10人となったが、裏金事件の全容解明にはいたっていない。 「政倫審の出席者のなかでも、萩生田光一前政調会長や世耕弘成前参院幹事長ら“安倍派5人衆”と対立していた下村博文元文科相に、注目が集まりました。彼なら、森喜朗元首相を“刺す”可能性がありましたから」(政治部記者) 森氏を“刺す”とはどういう意味か。政治アナリストの伊藤惇夫氏が解説する。 「そもそも、安倍派内で裏金のキックバックが始まったのは、森氏が会長だった時代からだという証言が出ています。それに、キックバックは安倍晋三元首相が2022年に一度、止めました。これを勝手に復活させられる力を持っているのは、森氏だけでしょう。国民は、森氏の責任が問われない限り納得しませんよ」 そして下村議員にとって森氏は、安倍派会長の座をめぐり、過去に『土下座した』と暴露されるなど、自分をさんざんこき下ろしてきた因縁の相手。ところが、下村議員は政倫審で森氏の“も”の字も出さず、ほかの議員と同じく、知らぬ存ぜぬを貫き通した。 本誌は、下村議員が政倫審の後に出席した、自身が主催する勉強会の終了後を直撃。森氏の件をただすと、険しい表情でひと言「森さんのことは知らないから」と言い残し、去っていった――。 「官邸サイドから『森さんのことは話すな』と箝口令が敷かれていたそうです。現在、老人ホームに入居している森氏ですが、3月17日の党大会に出席するなど健在で、隠然たる力を持っていることに変わりはない。下村議員も我が身がかわいいですから、保身に走ったのでしょう。岸田首相としては、“暴露合戦”が起きて、これ以上裏金問題を長引かせたくないんです。いま、頭のなかにあるのは次のステップ。つまり、粛清のことだけです」(自民党関係者) 実際、岸田首相は、自身と二階派会長の二階俊博元幹事長を含む、約80人を対象とする処分を4月上旬にもおこなうと各紙が報じている。 「具体的には、4月15日に処分が発表されると聞いています。メインターゲットは、二階さんと安倍派5人衆の予定でした」 と、明かすのは自民党中堅の無派閥議員だ。 「とくに二階さんは、水面下で“詰め腹を切る”ことを迫られており、処分発表と同時に引退を発表する予定でした。そして参議院の鶴保庸介議員に選挙区をバトンタッチしたうえで、息子さんにスムーズに継がせる、という計画だったんです」 ところが、二階元幹事長は3月25日、次期衆院選に立候補しない意向を表明した。 「先手を打ったということでしょうね。そもそも岸田首相に“処分される”こと自体が気に食わなかったのでしょう。先に責任を取って辞めると言っている人に、わざわざ処分を与えることもできません。85歳という高齢の二階さんとしても、“後のこと”が確約されているならと、しぶしぶ納得した末です。 岸田首相としては、今回の“超重鎮の辞任”という派手なカードで国民をある程度、納得させられるし、その後の政局も安定すると踏んでいます。一方、何かと目の上のたんこぶだった安倍派幹部は、1年間の党員資格停止という“厳罰”でしょう。塩谷立(しおのや・りゅう)議員は元座長という理由で、より厳しい離党勧告。選挙も非公認で戦うしかなくなります。岸田首相からすれば『ざまあみろ』というわけで、裏金事件を利用した粛清です」(同前) 政治ジャーナリストの野上忠興氏もこう語る。 「岸田首相の本音は『何もオレは悪くない』。首相が自身を“厳罰”に処すことはあり得ないでしょう。国民の政治不信からの支持率低下に痛みも感じておらず、2024年9月の任期までまっとうするどころか、総裁選での再選まで視野に入れているとか。当然、党内には不満がうっ積しています。ある閣僚経験者によると、党費を集めに行くと、『もうやめる』とか『カネは払わない』と支持者に言われるそうです。4月の衆院3補選で全敗すれば、岸田降ろしの契機になり得ます」 “有権者よ、団結せよ”というわけだ。
週刊FLASH 2024年4月9日号
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