人生の「大きな賭け」を大成功させる4つのルール
3.人間関係を大切にする
私は2014年に、毎年恒例の「全米祈祷朝食会」(超党派の議員が集う、年に1度のイベント)でスピーチしてほしいと依頼されました。胸が躍りましたが、かなり緊張もしました。かつてはマザー・テレサもスピーチした会であり、畏れ多い大役でしたから。 私は、その3年前の2011年に、ある発言で多くの共和党議員を怒らせました。 当時のUSAIDデータにもとづいた発言ではありましたが、その伝え方には敬意や気配りが足りていませんでした。怒らせた相手を訪ねて謝罪し、相手の価値観や、私たちが共有する大義に対する彼らの貢献の内容を知ることもできました。 私は、関係を築くことにしました。議員がその問題に関心を抱く理由を積極的に知ろうとしたり、ともに時間を過ごせるよう、彼らが地元や海外に出向くときは頻繁に同行したり、私自身の価値観や関心事を語ったり、一緒に祈ったりしたのです。 活動を続けたところ、わずか数年のうちに、熱心な(そして思いがけない)仲間を多くつくることができました。 全米祈祷朝食会のスピーチで出席者を前にし、良きサマリア人として団結して極度の貧困を撲滅しようと呼びかけると、党派を問わず多くの人が立ち上がり、拍手を送ってくれたのです。 それ以降、保守的な共和党と、進歩的な民主党が、重要法案を共同提案して可決させ、「世界の人道主義を牽引するアメリカ」を復活させてくれました。 心を開き、すべてをさらけ出し、個人的に付き合うことが、本物の信頼関係を築くための道であることを、私は学びました。
4.結果を測定する
大きな賭けに出るときは、すべてにおいて、実験と評価を行わなくてはなりません。 そしてそうするには、結果の測定に力を入れることが非常に重要です。「正しい行為」だけでは十分とは言えません。データを追跡し、共有し、分析する方法を見つけ出さなくてはならないのです。 2014年に西アフリカでエボラ出血熱が流行したとき、私はUSAID局長を務めていました。そして、問題に立ち向かう私たちの前に、大きな問題が立ちはだかりました。 米疾病管理予防センター(CDC)の推定では、感染者は160万人に上り、世界的なパンデミックに発展しうる状況でした。人を死に至らしめるエボラ出血熱の原因であるウイルスが、世界に拡散するおそれがあったのです。 オバマ大統領(当時)率いる米政権は、大きな賭けに出ました。西アフリカにアメリカ軍と緊急救援隊を派遣し、そこでパンデミックを食い止め、人命救助と世界中への流行拡大予防に取り組むことを決めたのです。 解明するためにはまず、データシステムを構築して、患者の居場所を速やかに確認できるようにする必要がありました。 アメリカ政府は生物テロ研究所を設置し、ヘリコプターで血液サンプルを空輸しました。あらゆるデータをダッシュボードに記入し、全員が同一の情報をもとに活動できるようにしたほか、地元コミュニティには、新たな解決策の開発への協力を依頼しました。 まもなく、死亡した患者の遺体を、埋葬担当チームが細心の注意を払って収容するようにすれば、ウイルス拡散を70%阻止できることが明らかになりました。 西アフリカのエボラ出血熱は、感染者が160万人に上ると予想されていましたが、最終的な感染者数は3万人未満であり、感染拡大を食い止めることができたのです。 目まぐるしく変化する命がけの状況で実験と問題解決を行うためには、適切なデータを速やかに入手することが不可欠であることが証明されたわけです。 大きな賭けに出るときは、リアルタイムで結果を測定し、収集データから学習することに力を入れる必要があるのです。 Originally published by Fast Company [原文] Copyright © 2023 Mansueto Ventures LLC.
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