「私の中の平野レミさん」が私を救ってくれている ジェーン・スー×桜林直子「生きづらさの正体」
動かないとわからないのです。 考えることは必要だけれど、止まったまま考えていてわかることは、今まで私にはありませんでした。 何となく不満がある。自分をくまなく観察して、不満の理由を見つけ出す。どういうときに機嫌がよくなって、どういうときに不機嫌になるかとか。次に、不機嫌になる要素を排除することは可能か検討する。取り除くやり方を調べる。 一朝一夕には解決できないと判明したら、自分の物事の捉え方を変えることはできないか試行錯誤する。捉え方を変えたうえで、やれることを実行する。これを繰り返せば、私の場合はある程度まではうまくいきます。
私にも、「うまくいかないのは私に能力や魅力が足りないからだ」と思っていた時代があります。 でも、違った。 動いてなかったからだった。もしくは、やり方を知らなかったから。あるいは、やりたくないことだったから。言うなれば、動き続けられるほどの興味が持てなかったからでした。 そりゃ、うまくいくわけがない。 小学生の頃は、飽きっぽいし集中力がない子どもでした。中学受験も高校受験も第一志望校には落ちて、親からは頑張りがきかない子だと言われてきました。
それが大きな心の傷になったことはないけれど、自分でも「そうなんだよな」くらいに思っていました。緩やかな諦観。 しかし、興味が持てることなら、むしろあきらめが悪いくらいしつこい性格だってことが、大人になってわかりました。やりたいことがハッキリしていないから、そうわかるまでに時間がかかったのだと思います。 ■「面白い!」が大事 仕事を始めてからわかったことがあります。 私にとっては「これ、面白い!」と思える瞬間がなにより大事だということ。面白い! が、私の頑張り起爆剤です。
言い換えるなら、好きという気持ちをどれだけ追いかけていけるか。「やりたいこと」と言われるとポカンとしてしまうけれど、「好きなこと」と言われると、都度思い当たる節は出てくるのでした。 仕事では宣伝プランを考えたり、それを実行してうまく物事が運んだりするのがすごく面白かった。面白いと思えることなら、結構頑張れることがわかりました。勉強でも運動でも頑張れなかったのに。 頑張っていたら、やがて頑張り方がわかるようになりました。