さすがの節税効果! 3分でわかる「NISA」「iDeCo」のすごいメリット【経済評論家が解説】
NISAとiDeCoの使い分け、どうすればいい?
上記のように、iDeCoのほうが節税面で有利なので、サラリーマンはiDeCoの枠があるならばNISAよりiDeCoを優先するほうがよいでしょう。iDeCoを使い切った後で投資資金が残っていればNISAを活用することにしましょう。 専業主婦(夫)等、所得がない人はiDeCoをする必要が無いので、「配偶者の節税枠が不足している場合に贈与を受けてNISAで運用する」といった程度で十分でしょう。後述の「政府の親心」を利用する必要があれば別ですが(笑)。 注意を要するのは、iDeCoは60歳まで引き出せない、ということです。これは、意思が弱い人でも老後資金を貯められるように、という「政府の親心」なのですが、浮き沈みの激しい自営業者は要注意です。「iDeCoが引き出せれば倒産を免れたのに」といった眼に遭う可能性があるならば、iDeCoではなくNISAを使うほうが安心ですね。
【初心者向け解説】拠出による節税額は意外と大きい
所得控除というのは、上述のように「所得税等の計算の際に、所得が少なかったということで税額が計算できる」ということですが、どれくらい節税になるのでしょうか。 それを考えるときに重要なのは、日本の所得税が累進課税だということです。給料が200万円までの分は税率ゼロ、200万円からから400万円までの分が税率10%、400万円を超えた分が税率20%、といったイメージです(実際の数字は異なります)。 上記の税率イメージを使って計算すると、給料400万円の人は、税額が20万円ですから(400万円から200万円を引いて、10%をかけると20万円)。給料に対する税率は5%です。そこで「1万円拠出すると500円の節税になる」と考える人がいるでしょうが、そうではありません。給料が399万円だとして税金を計算すると19万9,000円になるので(399万円から200万円を引いて、10%をかけると19万9,000円)、税金が1,000円減ります。1万円の10%です。 さらに、給料401万円の人は、所得税が20万2,000円ですが(400万円の人より給料が1万円多いので、税金は1万円の20%である2,000円多い)、1万円拠出すると所得税が20万円に減ります。2,000円の節税です。これに加えて住民税も安くなりますから、節税効果は意外と大きなものなのです。 これを難しい言葉でいうと「限界税率が平均税率より高いから、節税額が意外と大きくなる」ということです。経済学で限界と平均について学んだことがある人は、懐かしく思い出したかもしれませんね。 本稿は以上ですが、資産運用等々は自己責任でお願いします。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があり得ます。 塚崎 公義 経済評論家
塚崎 公義