七回、中山の右安打で一走の巨人・坂本勇人が三塁にヘッドスライディングで滑り込む＝東京ドーム（撮影・荒木孝雄）

■巨人4―1DeNA（19日、セ・リーグCSファイナルステージ） ファイナルステージ第3戦までで計2得点。3連敗を喫した18日の試合後、巨人の阿部監督は悟ったような表情で言った。「あとはもう意地を見ましょう」。指揮官の言葉が響いたか。崖っぷちのリーグ王者が、ようやく目を覚ました。 1－1の七回。執念を見せたのはベテランだった。1死から左前打で出塁した坂本が、中山の右前打で三塁にヘッドスライディング。続く岸田がセーフティースクイズで投手前へ打球を転がすと、35歳は本塁へ迷わず頭から突っ込んだ。 「もう勝つしかないという思いだった。思い切って飛び込んだ」。勝ち越し点をつかみ、ユニホームを泥だらけにした背番号6は何度も地面をたたいて喜んだ。泥臭い姿勢にナインも続く。適時打は出なかったが、走って、転がして、4点を積み上げた。 故障からの復帰段階だったヘルナンデスを緊急招集で5番に起用。試合前の声出し要員で、リハビリ中の元気印・萩尾も2軍から呼んだ。なりふり構わぬ姿勢が実り、「みんなで一つ勝って、なんとか流れが変わると思う」と指揮官。前回、日本一に立った2012年は3連敗からの3連勝でCSを突破した。逆襲はここからだ。（川峯千尋）