「なにも出てきませんよ!(笑)」中日ドラフト1位左腕・金丸夢斗が語った「運命の出会い」
世代ナンバーワン左腕の野望
日本のプロ野球を目指すアマチュア選手が運命を委ねるドラフト会議で、4球団競合の末に中日ドラゴンズへの入団を決めた。 【思わず二度見】「番長」がガン見で観戦…清原和博の長男・正吾「意外すぎる」素顔写真 筆者が関西大学を訪ねたのはリーグ戦の最中で、金丸は昨秋のリーグ戦から続く継続自責ゼロを「72イニング」にまで伸ばしていた。金丸は言う。 「ドラフト1位でプロに行くことと、最終的に日本を代表するピッチャーになるというのが、今の自分の目標です。(関西のメディアやタイガースファンから)虎の恋人と呼ばれるのは……嬉しいですけど、ドラフトでどこになるかもわからないので。自分は指名された球団の任された場所でしっかり活躍できるように頑張るだけです」 もちろん、将来的なメジャー挑戦も頭の片隅にある。 「最終的には挑戦したくても、誰もが大谷選手みたいになれるわけじゃない。まずは日本のプロ野球の世界でしっかりと活躍し続けることしか頭にないです」 兵庫県の高校野球の審判を務めていた父の影響で白球を握り、父との二人三脚で野球に励んできた。春夏の甲子園でグラウンドに立つ父と同じ舞台に立つことを夢見たものの、神港橘高校3年生の時はコロナ禍によって大会が中止に。 「悔しかったですけど、そこで生まれた時間を有効に使って今の自分があると、プラスに考えるようになりました。僕みたいにやらされる練習じゃなくて、自分で考えてやる練習が好きな選手にとっては、成長できる時間でした」 甲子園はなくなったが、兵庫の独自大会ベスト8で高校野球を終えた。しかし、無名の金丸を視察し、その才能に惚れ込んだ人物がいた。神港橘のOBで、豪腕として阪急などで活躍した山口高志氏(74)だ。 「本当はもっと高校時代に野球の成績を残していないと関大にも入れないんですが、コロナ禍だったということと、関大で投手コーチを務める山口さんとのご縁があって僕は入学できました」 大学入学後、頭角を現し、今年3月には宗山や愛知工業大の中村優斗(22)らと共にに侍ジャパントップチームに選出され、欧州代表との試合で先発、2回をパーフェクトに抑えた。 身長は177㎝。端正な顔立ちの大学4年生だ。きっと、キャンパス内を私服で歩けば人気者に違いない。実は「FRIDAY」からの取材と聞いて、野球部のマネージャーたちは「スキャンダル⁉」と良からぬインタビューを危惧したとか。 「なにも出てきませんよ!普通の大学生なんですから……(笑)」 春先に負った腰の疲労骨折も癒えたとはいえ、秋のリーグ戦はほとんど実戦登板がないままマウンドに上がった。それでも自責点を喫することはなく、ピンチの場面でこそ、力強い圧巻のピッチングを披露し、さらに評価を高めた。 「スピード以上に、ボールのキレ、球質が良いところが自分の武器だと思っています。ピッチングって、指先で投げるように言われると思うんですが、自分はてのひらのくぼみの部分でボールをリリースするイメージを大事にしている。いわば、てのひらの中心でボールを潰すイメージでもありますね。150キロを超えるボールだと、抜けてしまうことがあるんですけど、てのひらで投げる感覚を持てばそれも制御できる」 井上一樹監督が就任した新生ドラゴンズで、金丸はエースを目指す。 取材・文:柳川悠二
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