日本人が開発、次世代太陽電池「ペロブスカイト型」の関連株が急浮上 「フジプレアム」「ENEOSホールディングス」など
【今日から始める10万円株】 最近、「ペロブスカイト型太陽電池」の注目度が急上昇している。同電池は2009年に日本人によって開発され、ゆがみに強い「曲がる太陽電池」として、曲面でも貼り付けられるという特徴を持つ。電力変換効率や製造コスト面の問題を抱えていたが、研究開発の進展によって商用化が目前に迫っている。 資源エネルギー庁も、「日本の再エネ(再生可能エネルギー)拡大の切り札」として同電池に着目。また、昨年には岸田文雄首相が同電池の「25年の実用化」を表明し、早期の社会実装を目指す方針を掲げた。市場では、同電池主原料のヨウ素を手掛ける伊勢化学工業の株価が暴騰するなど、相場テーマとして急速に熱を帯び始めた。 太陽電池に関しては、10年代初頭に注目度が上昇したものの、中国勢に世界シェアを持っていかれた苦い思い出が蘇る。 このペロブスカイト型は日本人によって開発されたこともあって、政府としてもこの次世代型太陽電池の主導権を日本企業が持てるよう後押しを続けるはずだ。そういう意味でも、中長期にわたって注目できる相場テーマと言える。 そこで、今回は10万円以下で買える同電池の関連株を紹介しておきたい。 まずは、精密貼合(てんごう)事業を展開する「フジプレアム」(4237)。車載向け苦戦で業績、株価とも今一つだが、太陽電池を主力事業の一つとして掲げており、ペロブスカイト型が会社の命運を左右する事業となる可能性がある。3万9700円で購入可能(17日終値ベース)。 続いて、石油元売りトップの「ENEOSホールディングス」(5020)。ペロブスカイト型の主原料・ヨウ素の生産能力を数年で倍増する計画を打ち出した。株価も同電池関連としての人気によってジワジワと押し上げられており、4ケタ乗せは既定路線か。8万700円で買える。 穴株として注目したいのが、「日本国土開発」(1887)や「SDSホールディングス」(1711)など、太陽光発電設備の施工を手掛ける企業だ。ペロブスカイト型の普及は、太陽電池の施工会社にも恩恵をもたらすだろう。最低購入単価は、前者が4万4700円、後者は3万9600円。 (吉田礼音)