平和祈る石像完成 ブルガリアの彫刻家・ストヤノフさん 茨城・桜川で制作 石産協、万博展示目指す
ブルガリア人の彫刻家、イヴァン・ストヤノフさん(43)が、大阪・関西万博での展示を目標に、10月初旬から茨城県桜川市内で制作していた「平和への祈り」の石像が完成し、同県笠間市内で2~4日に開かれた「いばらきストーンフェスティバル2024」(県石材業協同組合連合会主催)でお披露目された。 石像のタイトルは「prayer for peace(平和への祈り)」で高さが約2メートル。八郷産(同県石岡市)の御影石を彫り上げた。目を閉じた人物が両手を合わせたポーズ。高さ50センチの台座の正面には、同フェスで来場者がアルファベットを1字ずつ彫って、「私たちは心から世界が永遠に平和になることを希望する」という意味の英文を構成したプレートが張られた。 この取り組みは、日本石材産業協会(石産協)が、不穏な世界情勢を踏まえ、加工部会の事業として企画した。来年4月に開幕する大阪・関西万博で、ブルガリア出展のパビリオンに展示されることを希望しており、同国などの関係当局への働きかけを続けている。 ストヤノフさんは10月5日に来日し、ブルガリア側との交流窓口になっている桜川市の石彫刻家、浅賀正治さんの元に寄宿しながら作品を制作していた。滞在期間は1カ月の約束で、6日に帰国した。 石産協加工部会長の北島敏行さんは「石材業界として、石を通じ平和のメッセージを発信したいとこの事業を企画した。予断を許さない面はあるが、何とか万博での展示という目標を実現できるよう努めたい」と話した。
茨城新聞社