リアリティある「お客様の声」を掲載する方法 (横須賀輝尚 経営コンサルタント)
■お客様には、「お願い」ではなく「取材」をする
これらのことからお客様の声の重要性を理解していただけたと思いますが、具体的にはどのようにお願いすればよいのでしょうか。 私の場合は、「ホームページにお客様特集のページを開設することになったので、取材をお願いしたい」とお願いをしていました。「お客様の声」ですと面倒な気もしますが、「取材」となると話は変わるようです。もちろん謝礼として商品券数千円分を謹呈し、さらに「弊社のホームページはアクセスがあるので、仕事が増えるかもしれない」「マスコミ関係者も見ている可能性がある」と伝え、お客様の声を掲載するメリットを伝えることによって、ほとんどの場合で掲載の承諾を得ることができました。 お客様の声をアンケートのようなものを渡して記入していただくのもひとつの方法なのですが、これは時間もかかりまたお客様も手間となってしまいます。そこで、お勧めなのが「直接インタビューをしてICレコーダーなどに録音して書き起こす」という方法です。こうすることによってお客様の手間も最小限に抑えることができますし、なんといってもリアルな声を拾うことができます。 具体的な質問の内容としては、(1)なぜ士業事務所に依頼しようと思ったか、(2)依頼してどうだったか、(3)よかった点・悪かった点を聞く、などとして自由に話してもらうのがよいでしょう。
■リアリティが求められるのが、お客様の声
お客様の声を取る場合の注意点は、「いかに本当っぽく見えるか」という点です。たとえば、「T・Y」のようなイニシャル表記だけでは、本当にこのお客様が実在したのかどうかさえ怪しく映ってしまいます。ですから、お客様の声にもリアリティを持たせることが重要になります。 では、どのようにすればリアリティを持つことができるのか。まずは顔写真です。そして、会社名、担当者名、住所の掲載。最低でもこのくらいはあったほうがよいしょう。特に写真があるのとないのとでは大きな違いがありますので、お客様の写真はできる限りお願いするべきです。 こうしてお客様の声を集めることに成功したら、ホームページ、それから事務所案内に掲載しましょう。ホームページに掲載することによって、あなたの事務所の信頼性が高まるため、当然問い合わせが増えます。そして、事務所案内に掲載し、商談の際に手渡すことによって、商談の成約率が増します。 こうした一見新規開拓には関係なさそうな活動に見えますが、最終的にはこの活動が成約率を高めていきます。次第にお客様の声が増えてきたら、お客様の声だけをまとめて小冊子にしてしまうのも有効な手段です。「○○事務所 クライアント成功事例集」のようなものを作成しておけば、商談の際にも渡すことができ、またダイレクトメールに同封することもできるようになります。 そして一度お客様の声をいただければ、その後使用不可のご連絡を頂かない限りは、永久にあなたの販促ツールになります。ぜひ、今日からお願いをしてみてください。 ところで、もしあなたが離婚問題など、「お客様の声を書きにくい」業務を中心に動いている場合には、こういったお客様の写真などは当然出せません。その際は、手書きでアンケートを書いていただき、スキャナーなどでデータ化してホームページに掲載しましょう。この際、「業務の性質上、お写真などは掲載できませんので、アンケートを掲載させていただきます」と記載しおくことも忘れないようにしたいものです。 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士
【プロフィール】
1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。