アメリカ最大プロレス団体でトップを獲ったイヨ・スカイが語るWWEの世界「生き残れるのはたった一握りなんです!」
――しかしその後コロナ禍に...。イヨ そうなんです。試合ができなくなって、2年ぐらい停滞してました。 ――NXTで活躍すれば、WWEの2つの看板ブランド「RAW(ロウ)」と「Smack Down(スマックダウン)」に"昇格"するのが定石ですが、チャンピオンになりながらも...。 イヨ 結局4年もNXTのままで...、もう何度も日本に帰ろうと思いました。努力でどうにかなるなら続けられるけど、コロナはどうにもならない。ファンの人も私に期待してくれてるのに、見せたくても試合ができない。しかも一人暮らしだから考えもどんどん暗くなっちゃうわけです(笑)。 日本ではトップを張ってたし、帰ったら喜んでくれるファンもいる。「一人で腐ってるより、アメリカに見切りをつけた方がいいのかな」って選択を迫られました。でも憧れのビッグマッチ「レッスルマニア」に出てないからまだ帰れないって、耐え抜きました! ――22年、4大大会の一つ「サマースラム」でついにRAWにデビュー! その経緯は? イヨ アメリカって日本と違っていつも急展開で「3日後にサプライズデビューするけど行ける?」という世界。お客さんにもサプライズだけど、選手にとっても「まじで聞いてない」という(笑)。WWEには「レッスルマニア」「サマースラム」「ロイヤルランブル」などのビッグマッチがありますが、裏で他の試合を見てても知らないことがどんどん起こるから普通にビックリするんです。私も「デビューするよ」って当日に聞いたかもしれない(笑)。でもおかげで常にイケるコンディション作りと度胸が身につきました。今の私なら何が起こっても動じませんよ! ――野球では2軍と1軍は大違いですが、WWEでも昇格すると違う? イヨ もう生活が変わります。NXTでは自宅から通えて毎日家に帰れるけど、RAWに上がると「メインロースター」と呼ばれて試合数が大幅に増えて、全米を自分でレンタカーを運転しながら移動して、家に帰れるのは週に2日だったりする。 しかも私は試合もTV番組もほぼ全部に出ているんです。日本の女子プロレス団体だと全員がすべての大会に出るけど、WWEは選手の数がケタ違いで、一部しか出ないんですよ。 ――全部に出るとは完全に女子のエースですね! イヨ エース格の1人なことは確かです。 ■チャンピオンになって「見える世界が変わりました」 ――そこからは怒涛の活躍で、1ヶ月でWWE女子タッグチーム王座を獲得し、翌年には女子シングル王者というWWE女子の頂点に。 イヨ チャンピオンになって見える景色が変わりましたね。会社が用意してくれる飛行機もファーストクラスに(笑)。 ――WWEのトップ選手の給料は10億円以上とのウワサもありますが、イヨさんも当然、ギャラはアップした? イヨ 日本にいた頃のインタビューでも、私は収入面でも業界トップという記事が出たことがありますが...、日本のあの頃から比べてもアメリカの現在では間違いなく増えましたね。今はメルセデスベンツのゲレンデを買っちゃおうか迷ってます(笑)。 ――Gクラスも余裕で買えちゃうと! その後、目指していた年間最大興行「レッスルマニア」にも出場を果たしました。 イヨ レッスルマニアで8万人の前に立った時は「ついに来たか」と誇らしくなりましたね。 ――レッスルマニアでは2日公演の大トリの直前という試合順からも期待度が分かります! いかがでしたか?