【事故実例】「レンチンカップ麺」「手抜き焼きそば」で電子レンジ炎上、「炊飯器ケーキ」にも要注意! SNSで人気の“ずぼらレシピ”が招く悲劇
電子レンジでの「油調理」も危ない
過去にNITEが公表した事故事例のなかには、「ガスコンロのグリル焼き網にアルミホイルを敷いて鶏皮を焼いたら、アルミの上に溜まった油が燃え上がった」という事例もある。グリルに限らず、電子レンジでの調理でも油は要注意である。 SNS等で広まっている“ずぼらレシピ”に、ポリ袋に中華麺と肉、野菜、油、調味料を入れて、レンチンで焼きそばを作るという調理法がある。が、油の量が多いとポリ袋が溶けたり、燃えたりする。水は温度が100℃までしか上がらないが、食用油は200℃前後まで上がり、それ以上加熱し続ければ燃えるからだ。 食品の安全性に詳しい科学ジャーナリストの松永和紀氏はこう言う。 「最近では、“健康にいい”と信じて、料理にMCTオイルやえごま油などを追加するのが流行っていますが、食用油の量が多い状態で電子レンジで加熱するとやはり燃える危険があります。電子レンジで加熱しなくても、カップ麺などの発泡ポリスチレン製の容器で、食用油を追加して熱湯を注ぐと、容器が溶け出して変質・破損し、熱湯がこぼれ出すことがあります」 国民生活センターによると、食用油の追加でカップ麺の容器に穴が空いたという事例は2018年からの5年間で6件あり、こぼれだした熱湯で火傷をした事例もあった。こうしたリスクがあることは食品メーカー側も把握しており、通常は「添付以外の食用油等は加えないでください」といった注意書きが商品パッケージに明記されている。
炊飯器ケーキは生焼け時の追加加熱で故障リスク
電子レンジ以外で、“ずぼらレシピ”で登場しがちな調理家電が「炊飯器」である。 調理機能付きの炊飯器という製品があり、カレーや肉じゃが、ローストビーフ、はてはスポンジケーキまで作れる。材料を入れてスイッチを押すだけで作れる便利な製品だが、問題は、炊飯以外の調理機能のない普通の炊飯器で同じことをしようとする人がいることだ。 炊飯器で調理するという見た目の面白さがウケたのか、SNSで流行しており、たとえば、「炊飯器ケーキ」で検索すると、膨大な数のレシピがヒットする。個別に見ていくと、「ケーキのたねを釜に流し入れ、炊飯スイッチを押すだけ」と、調理機能のない一般の炊飯器でもケーキを焼けるのが当たり前であるかのように書かれているものが多い。
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