チョ・ジヌン「対外秘」出演し「決して政治家にはならない。俳優がいい」【第37回東京国際映画祭】
第37回東京国際映画祭で11月3日、特別上映部門の「対外秘」のジャパンプレミアが東京・角川シネマ有楽町で行われ、俳優のチョ・ジヌン、キム・ムヨル、イ・ウォンテ監督が登壇。作品のタイトルにちなみ、明かしたことのない秘密を発表した。 【写真たくさん】米倉涼子はオフショルドレスで美デコルテ披露 東京国際映画祭レッドカーペットの様子 同作は、「悪人伝」(19)を手掛けたイ・ウォンテ監督の新作サスペンス。韓国で初登場No.1ヒットを記録したほか、世界各国の映画祭に出品され好評を得た。舞台は、1992年の釜山。政治家のヘウン(チョ・ジヌン)は、党の公認候補を約束され国会議員への立候補を決意するが、影で国をも動かす黒幕スンテ(イ・ソンミン)が公認候補を自分の言いなりになる男に変える。激怒したヘウンは国を揺るがす極秘文書を手に入れ、ギャングのピルド(キム・ムヨル)と手を組み選挙資金を得て無所属で出馬。地元民から人気を得たヘウンは支持率1位を獲得するが、スンテが逆襲を仕掛ける。しかしこの選挙は、壮絶な権力闘争の始まりに過ぎなかった。 日本での舞台挨拶は初めてだというチョ・ジヌンは「本当にうれしいです」と喜び、「この映画の中で描かれている状況を見ることで、自分自身を遠くから振り返ることができます。私は決して悪い人ではないんですけど、自分自身を振り返ろう、見つめてみようという気持ちで演じていました」と吐露した。キム・ムヨルは「こんばんは。『対外秘』でピルド役を演じるキム・ムヨルです」と日本語で挨拶し、「日本には何度も来ていますが、以前はミュージカルの公演で来ました。とても関心が高い国で、好きです。そんな日本で公開していただいて、ご挨拶できてとてもうれしく思っています」と笑顔を見せた。 同作は90年代の釜山を舞台としているが、現在の釜山は発展しており「当時の場所を再現できる場所があまりありませんでした」とイ・ウォンテ監督。そのため「全国の海辺の街を探し回り、ロケハンをして、やっと撮影できる場所を見つけました。映画全体の割合でいうと、釜山で撮影したのは30%くらいになります。それ以外は、90年代を象徴する小道具を新たに作って準備しました。歌や音楽は、あの時代に有名だった大衆歌謡を使っています」と裏話を披露した。 キム・ムヨルは、ピルドを演じるために監督から体重増量を指示されたそうで、撮影中と現在では「20キロくらいの体重差がある」という。今回の増量について「俳優というのは、作品ごとに新しい顔を見せないといけない。1つの作品と向き合うときは、常に新しい自分の姿を探すようにしています。そういう意味で、ルックスは1番観客の皆さんにアプローチしやすい。体重のコントロールはとてもいいことでした。ルックスを変えることによって内面も変わる。そのような経験ができたことで、順調に演技ができました」と充実した表情で語った。また、釜山の方言の習得も行ったそうで「監督を始め、イ・ソンミンさん、それ以外の俳優さん、スタッフさんの中に、慶尚道出身の方がいたので助けていただきました。たくさん練習したんですけど、現場に行くとセリフの変更があったりして、そのたびに大変な思いをしました」と振り返った。 この日は、作品のタイトルと絡め、明かしたことのない秘密を発表する場面も。チョ・ジヌンは「今回は政治家の役を演じたので、政治家の持っている明るい部分と暗い部分を知ることになりました。政治家になることは考えていませんが、本当に苦労されているんだなと思いました。ですので、1度死んで生まれ変わっても、決して政治家にならないと思います。私は俳優がいいです」と断言した。キム・ムヨルは「私の場合は個人的なことになる」と前置きをし、「少し前に息子が生まれました。顔は公開していないのですが、幸いなことに息子は妻に似ています」と明かしていた。 第37回東京国際映画祭は、11月6日まで開催。「対外秘」は、11月15日から全国で公開される。