秋の叙勲に安房から7人(千葉県)
観測船の安全運航に41年 気象業務功労 金子和男氏(62) 館山
約41年にわたり、国土交通技官として国内外の海洋データなどを収集する気象観測船の安全な運航に尽力した。 安房水産高校を卒業後、1982年に気象庁に入庁。船の心臓部となる発電機や主機関の整備、監視が主な業務で、船上という限られた人員の中、船内の機器に関する整備も手広く行った。観測員らを乗せた船が事故なく各地に赴き、データ収集ができるよう長年支えてきた。 常に励行していたのは「けがをしない」こと。自分自身はもちろん、整備にかかわる部下や船員らがけがをしてしまっては、船の安全運航に支障を来すからだ。操機長となってからは特に、数多くの機械音が重なる機関室で業務にあたる前には、作業手順の確認を徹底。意思表示や声掛けが困難な空間で、安全業務の励行に努めた。 「受章と聞いて『なぜ自分が』と驚いたが、41年間、自分も部下にもけがをさせることなく、目的地に向かう船を動かし続けられたことは誇りに思う」と、日々積み重ねてきた結果を謙虚に喜ぶ。 「海外へ行くこともあって家庭を不在にする時間が長く、妻も大変だったと思う。妻の支えなしにはできなかった仕事。本当に感謝です」と話した。