レスリング男子 日下尚が金メダル!「最高に楽しい6分間でした」名前の由来、高橋尚子の名言に重ねる
「パリ五輪・レスリング男子グレコローマン77キロ級・決勝」(7日、シャンドマルス・アリーナ) 【写真】Qちゃんよりぶっ飛んでる日下 喜び爆発で華麗な舞い 日下尚(三恵海運)がカザフスタンのジャドラエフと対戦。5-2の逆転勝ちで金メダルを獲得した。 第1ピリオドは開始30秒で相手に場外へ押し出されて1点を失った。さらに1点を失い、0-2で第2ピリオドへ。だが、本領発揮はここから。後半開始30秒で4点を返して一気に逆転すると、攻撃の手を緩めずさらに1点追加した。 試合後、喜び爆発の日下は客席にいた両親らと抱擁。「夢を見ているようです。最高に楽しい6分間でした」と、名前の由来、高橋尚子さんが金メダルを獲得した際の「すごく楽しい42キロでした」の名言に重ねた。「マットの上では誰も助けてくれない。自分と、過去の練習を信じて前に出ました」とうなずいた。「五輪にあこがれてレスリングを続けてきて、まだ現実かわからない」と満面の笑みを浮かべた。 「人生を懸けてパリの舞台に立つ」と臨んだ初の五輪。実は当初、28年ロサンゼルス大会を目指していたが、23歳は急成長を遂げ、予定より早いパリでの代表切符をつかんだ。 4月のアジア選手権(キルギス)決勝では、昨年の世界選手権で敗れた世界王者アクジョル・マフムドフ(キルギス)を敵地で撃破。五輪でのメダル獲得の可能性は現実のものとなっていた。「うどん県」香川出身だけに、帰国時には「うどんの“コシ”を示せた」と、ユーモラスな顔も披露した。 中学時代は全国大会に出場するなど、強靱(きょうじん)な下半身の土台は相撲で築いた。五輪切符をつかむと大相撲の佐渡ケ嶽部屋などへ出稽古し、大関琴ノ若に胸を借りて、大きな体を押し上げる技術を模索。がぶり寄りを得意とした秀ノ山親方(元大関琴奨菊)からは、腰を割った出足を学んだ。 準決勝ではアルメニアのアモヤンとの接戦を制しての決勝。快進撃を続けてきた23歳が、五輪でも臆することなく攻め続けた。 ◆日下尚(くさか・なお)2000年11月28日生まれ、香川県出身。日体大卒。23年世界選手権3位。得意技は差し押し。172センチ。