「現金は邪魔だが、ポケモンカードなら…」子どものおもちゃを“マネーロンダリングの道具”として活用する「振り込め詐欺グループの特殊事情」
5億円で取引されたカードも
2021年には、世界に39枚しか存在しない「ポケモンイラストレーター」という希少カードが527万5000ドル(当時のレートで約5億8000万円)で購入されたことを筆頭に、出現率の低いレアカードは、数百万円や数千万円で取引されている。 最近発売されたシリーズでも定価は1パック180円だから、転売価格の高騰ぶりがわかる。 数百円で買える紙切れが数千倍、数万倍の価値に化けることもあり、新作シリーズが発売されるたびにポケモンカードを扱う各地の量販店では純粋なファンと転売ヤーが行列を成し、警察沙汰になるようなトラブルも発生してきた。 ポケモンカードは、レアリティ(希少性)によって8段階(2022年12月1日以前は9段階)に区分されている。なお、正規販売されているポケモンカードは、購入して開封するまでなかにどんなカードが入っているかわからない。 シリーズにもよるが、最も希少性が高いUR(ウルトラレア)は、10ボックス(300パック=1500枚)に1枚程度、最も低いC(コモン)では1パック(5枚入り)に3枚程度という確率で封入されていることが、コレクターらの集合知によって知られている。 転売市場で高額で取引されているのは、おもに上位ランクUR、SAR(スペシャルアートレア)、SR(スーパーレア)の3つだ。基本的に1ボックス(30パック=150枚)につき、これらのランクのうちいずれかに属するカードが1枚封入されているといわれている。 しかし、レアリティが高いカードだからといって転売市場で高値がつくとは限らない。
絵柄によって人気・不人気があり、市場価値が異なるからだ。最高ランクのURに区分されるカードよりも高値で取引されている、2段階低いSRランクのカードもある。 そして、それらのレアカードの価値は、毎日刻々と変化しているというから、まるで株式市場そのものだ。ネット上には、各種レアカードの取引相場を調べることができるサイトが複数存在する。