教諭死亡、1億円賠償命令 茨城県古河市に、地裁支部
2017年に茨城県古河市の市立中学校の男性教諭=当時(47)=が自殺したのは長時間労働などが原因として、遺族が市に約1億1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、水戸地裁下妻支部は14日、市に約1億円の支払いを命じた。 渡辺力裁判長は判決理由で、男性は「長時間の時間外労働によりうつ病を発症した」として、労働時間や休日取得について定めた労働基準法に違反する状態が続いていたと指摘。 男性の健康状態を把握したり長時間労働を軽減する方策を取ったりすることがなかったとして、校長の安全配慮義務違反も認めた。 市側は、男性が顧問を務める吹奏楽部で自主的に高い目標を設定していたことが長時間労働の要因だと主張していたが、渡辺裁判長は「指導は業務の一環で、校長も容認していた」と退けた。 原告側代理人は取材に「教職員の長時間労働が問題となっている中で、管理側の責任が認められたことは大きい」とコメントした。
市は「判決を精査し、今後の対応は訴訟代理人と協議して決定する」との市長コメントを出した。