村上春樹「ストーンズ・ファンって、そういう熱狂的な人が多いんですかね」ニューヨークで観たローリング・ストーンズのライブを振り返る
作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。10月27日(日)の放送は「村上RADIO~ローリング・ストーンズ・ソングブック~」をオンエア。1組のアーティストに焦点を当てて特集する「ソングブック」シリーズの第5弾は、1962年の結成以来、音楽史にその名を残し続けるロックバンド、ローリング・ストーンズを特集しました。 この記事では、後半2曲について語ったパートを紹介します。
◆王様「飛んでるジャックの稲妻(Jumpin' Jack Flash)」
日本語に直訳された歌詞を歌うことで有名な王様が、今回は大胆にローリング・ストーンズに挑みます。アルバムのタイトルは『転石伝説』。「転がる石の伝説」ですね。今日おかけする曲は「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」。日本語題は「飛んでるジャックの稲妻」、こんな歌詞です。 …… でも大丈夫 俺は 飛んでるジャックの稲妻 ……(以下、略)
◆Travis Tritt「Honky Tonk Women」
カントリー歌手のトラヴィス・トリットが「ホンキー・トンク・ウィメン」を歌います。この曲ってけっこうカントリーっぽいところがありますよね。 僕は1991年だっけな、92年だっけな、以前のニューヨークのシェイ・スタジアム(Shea Stadium)でストーンズの公演を聴いたことがあります。ニューヨーク・メッツの球場ですね。そのときはこの「ホンキー・トンク・ウィメン」が派手な見せ場になっていました。しかしストーンズのコンサートって、観終わったときに、「お腹いっぱいになった」という満足感がありますよね。最後に「サティスファクション」で思い切り盛り上がってね。 そのとき僕の後ろの席に日本人の若い男の子4人組がいまして、その子たちはストーンズの曲に合わせて全曲合唱するんです。かなりマイナーな曲も、新しい曲も、全部英語の歌詞を暗記していて。「うーん、すごいなあ」と感心しちゃいました。ストーンズ・ファンって、そういう熱狂的な人が多いんですかねえ。 (TOKYO FM「村上RADIO~ローリング・ストーンズ・ソングブック~」2024年10月27日(日)放送より)
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