【ニューヨーク時事】週末25日のニューヨーク外国為替市場では、衆院選の結果が注視される中、米長期金利の上昇を背景に円売り・ドル買いが優勢となり、円相場は1ドル＝152円台前半に下落した。午後5時現在は152円27～37銭と、前日同時刻（151円79～89銭）比48銭の円安・ドル高。 　米商務省が朝方発表した9月の米耐久財受注額は前月比0．8％減と、市場予想（1．0％減＝ロイター通信調べ）ほど減少しなかった。設備投資の先行指標となる航空を除く非国防資本財受注は0．5％増と、予想の0．1％増を上回った。米ミシガン大学調査では、10月の米消費者景況指数（確報値）は70．5（前月70．1）と予想の69．0を上回った。米経済の底堅さを示唆する指標が相次ぎ、米連邦準備制度理事会（FRB）が想定よりも緩やかなペースで利下げするとの見方が改めて強まった。米長期金利の指標とされる10年債利回りが4．2％台に再び上昇したため、円売り・ドル買いの流れが取引中盤から徐々に加速。円は一時152円38銭まで下落した。 　ただ、日本と米国で政治・経済両面に関わる重要イベントを控えており、神経質な商いとなった。27日投開票の衆院選では、与党の過半数割れを予想する一部報道を受け、政局不安への警戒感が広がっている。30～31両日開催の日銀金融政策決定会合では現行の政策維持が決定される見通しだが、植田和男日銀総裁が会合後の会見で追加利上げに関して言及するかが焦点。一方、米国では来週、米個人消費支出（PCE）物価指数、雇用統計と主要経済指標が発表される。約2週間後の米大統領選を巡っては、共和党候補のトランプ前大統領が優勢との見方もあり、財政支出拡大に伴うインフレ再燃への思惑が浮上している。（続）