森山良子「二世帯住宅建築中、婿の小木博明からは驚きの注文が!息子・直太朗も孫たちも集う家は私の《なだれ込み寺》」
わが家は完全分離型なので、独立した2つの家が壁1枚を隔てて1つにくっついた形をしています。住居は左右で分かれていて、玄関も別々です。 最初は、私の家と小木家でスペースを半々にするつもりでした。そのほうが揉めたりしなくていいのかなと思って。でも、小木が設計図を見て「寝室がちょっと狭いんだよなぁ」と言うんですよ。もっとスペースが欲しい、と暗に仄めかすの。 たしかに、小木家は3人、私はひとりだから寝室がすごく広い。「わかったわ。私のスペースをあなたたちに少しあげましょう」と言ったら、小木が「もっと早く言ってくださいよ。その言葉が欲しかった」って(笑)。それで小木家の住まいのほうが少し広くなりました。 内装やインテリアはお互い好きなようにしたので、家の中の雰囲気は全然違います。うちの壁は木材や白っぽい色だけれど、あちらはピンクとかいろんな色を用いてポップな感じ。 私が一番こだわったのは、ダイニングテーブルです。家を建てる前、天然木の一枚板を2つ合わせた大きなテーブルを家具屋さんで見つけて一目惚れ。同じ作家の椅子も揃え、その雰囲気に合わせて家を作っていきました。 このテーブルは、大人12人がゆったり座れるくらい大きいんです。ひとり暮らしとはいえ、「人がたくさん集まれる家」にするのが私の一番の希望でしたから。 というのも、私の育った家がそうだったのです。両親は誰に対してもオープンでウェルカム。いつも兄や私の友だちが遊びに来て、ご飯を食べて帰ったりしていた。その家風は私にも受け継がれ、娘も息子の直太朗も友だちをたくさん連れてきて、いつも賑やかでした。 だから私の家には、人が集える大きなテーブルが不可欠。外で友だちとお酒を飲んだ帰りにでも、「ちょっと寄ってく?」と言えるような家にしたかったんです。
◆孫が友だちと自宅で打ち上げ 二世帯住宅にして6年以上経ちますが、いまの暮らしはとても快適です。好きなときに好きなことをして、つねにリラックスできる空間。ときには「今日はうちでご飯食べる?」とお隣に声をかけ、一緒に食卓を囲み、食べ終わったら長居せずさっさと帰ることができる。なにせドア・トゥ・ドアで2メートルの距離ですから。 私はみんなとワイワイ飲んだり歌ったりするのが大好きなので、隣でパーティをしている気配がすると、シャンパンのボトルを持ってお邪魔するんです。「これ、みなさんでどうぞ」って言いつつ、そのまま居座っちゃう。(笑) 逆に私がお友だちを自宅に招いたときは、小木家が参加したり。直太朗も近くに住んでいますから、お嫁ちゃんと一緒に時々顔を出してくれます。 孫娘との交流も、以前より増えました。いま中学3年生ですが、彼女が幼い頃から娘夫婦の帰りが遅いときに預かっていたので、仲良しです。 この間も、「運動会のあと打ち上げをするから、ドコタン(良子さんの愛称)のとこ行っていい?」と。自分の家ではなく、私の家に友だちを10人連れてきました。自分たちで事前にピザを注文し、手際よく飲み物も調達。食べ終えたらお皿を洗い場に運んで、しっかりしているわね~と感心しきりでした。