【ボクシング】元アジア3冠王者吉野修一郎が2回TKO勝ち「ほっとした」約1年2カ月ぶり再起
<プロボクシング:ダイヤモンドグローブ>◇17日◇東京・後楽園ホール 元日本、東洋太平洋、WBOアジア・パシフィック・ライト級王者吉野修一郎(32=三迫)がTKO勝利で約1年2カ月ぶりの再起戦を飾った。所属ジム興行ダイヤモンドグローブのメインイベントに登場。フィリピン同級3位ジュレス・ビクトリアーノ(26)との62・5キロ契約体重8回戦に臨み、2回2分52秒TKO勝ちを収めた。 昨年4月、世界3階級制覇王者で現WBC世界同級王者シャクール・スティーブンソン(26=米国)との同級挑戦者決定戦で6回TKO負けを喫して以来のリングで快勝し、吉野は「勝ててほっとしました。約1年2カ月ぶりのリングを確かめるようにしていた。今後? 大きいことは言えない。この先はどうなるか。頑張ります」と謙虚な姿勢を貫いた。 右ひじの故障(変形性関節炎など)で昨年7月に内視鏡手術を受け、同10月中旬からジムワークを再開した。まだ右ひじには少し違和感が残った中での復帰戦だったが、2回に左ボディーで相手の肋骨(ろっこつ)骨折に追い込んでの右フックでダウンを奪取。立ち上がったビクトリアーノに連打からの右フックで2度目のダウンを奪うと、最後も右フックでキャンバスに沈めた。負傷した右で3度ダウンを奪ってみせた。 吉野は「(右ひじの)不安はありますね。今日はアドレナリンが出ていたのでいけた。まあまあですかね」と自ら及第点を出した。また15年からタッグを組んできた椎野トレーナーが三迫ジムを退職することになり、この再起戦が2人で臨む最後の試合だった。「兄貴的な存在で何でも話を聞いてくれた。感謝しかないです。9年間、お世話になりました」と勝利をささげた。 所属ジムの三迫貴志会長(50)は今後、吉野の世界ランキング復帰に向けたマッチメークを計画する方針。「シャクール戦まで一直線にやってきた。だましだましやっていたヒジもしっかり治した。また本人の希望となる米国、海外を模索しながらやっていきたい」と方向性を口にしていた。