サブウェイのワタミへ 世界第2位のファストフードチェーン
【経営者目線】 ワタミは25日、世界最大のサンドイッチチェーン「サブウェイ」の国内での経営権を獲得し「日本サブウェイ」を完全子会社化したことを発表した。記者会見には米国からサブウェイ・インターナショナルのジョン・チッジーCEO(最高経営責任者)も来日した。 私は、M&Aをするなら、サブウェイしかないと長年思い続けていた。その理由は6つある。 ①「強いブランド力」。マクドナルドに次ぐ、世界第2位のファストフードとして、全世界で約3万7000店舗を展開している。 ②「ハンバーガーorサンドイッチの世界」。実はハンバーガーチェーンのM&Aの話はこれまでも水面下でいくつかあった。しかし、それでは「ハンバーガーvsハンバーガー」の戦いとなる。ヘルシーでローカロリーなサブウェイは、「ハンバーガーorサンドイッチ」と、消費者への提案が魅力的だ。 ③「おいしい(ワタミのノウハウでもっとおいしく)」。ローカルメニューの開発を本国も奨励している。ワタミファームの有機野菜を用い、顔のみえる農家の野菜をアピールし、サラダももっと充実させられる。照り焼きのソースや、ドレッシングなどは、ワタミも40年のノウハウがある。ワタミが焼肉で提携する薩摩牛を使ったローストビーフサンドなども開発できる。 ④「強い業態力」。1店舗が2000万円と低資本だが、年間で6000万円売り上げる。資本回転が3回していることになる。和民の最盛期でも2回だった。 ⑤「小商圏業態」。大学や病院、駅の構内、商業施設など、立地が多様かつ、少ない人口で完結できる。これは、最大の魅力といってもいい。お隣の韓国でも10年前に100店舗強だった店舗数が、550店舗を超えるなど急成長している。今後20年で「国内3000店舗を達成したい」と会見では宣言した。 その他にも、創業40年がたち、ワタミのブランドをリフレッシュさせたい目的もあった。若いお客さまにアプローチすることで新たなファンを作っていきたい。 サブウェイが仲間に加わったことで、自然エネルギーを使った循環型6次産業「ワタミモデル」が加速度的に広がりを見せていくことになる。バラマキ合戦の衆議院選挙を見ても、日本の「円安」は続いていく。自社農場の国産有機野菜は円安に強い。さらにインバウンドにも強いブランドだ。