「同意なき買収」に打って出たAZ‐COM丸和HDの"胸の内"
AZ‐COM丸和HDはアマゾンの配送やスーパー、ドラッグストアの物流も手がける企業。「桃太郎便」ブランドの宅配も展開する(写真:編集部撮影)
物流企業の「同意なき買収提案」は、業界を変えるのか――。 3月21日、小売業向け3PL(物流の一括受託)大手のAZ‐COM丸和ホールディングス(9090)は、低温食品物流を手がけるC&Fロジホールディングス(9099)に対し、5月上旬をメドに公開買い付け(TOB)を実行すると発表した。買い付け価格は1株3000円で、完全子会社化を目的としている。 丸和HDはアマゾンの配送やセンター間の輸送、スーパーやドラッグストアの物流も手がける企業。重要顧客のアマゾン・ドットコム(AMZN)とともに歩みを進め、業界の急成長株として注目されている。一方のC&Fは、フローズン輸送のヒューテックノオリンとチルド輸送の名糖運輸が統合した企業だ。 重要なのは、丸和HDはC&F側の賛同を得られない場合も買い付けを開始するという点だ。賛同を得られるよう説明を重ね、情報も提供する構えだが、「敵対的買収」につながる可能性がある。国内では珍しい例として業界内外から注目されている。
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田邉 佳介