民家の庭で勝手に宴会、ポイ捨て注意に逆ギレ…迷惑観光客の呆れた言い訳
「世界中の誰もがスマホを持つ時代です。誰かが映える写真をアップしたら、それはすぐに世界中に広がります。その場所が観光ガイドブックに載っていようがいまいが、関係ありません。 SNSは単に情報収集だけでなく、観光地との向き合い方、向き合った後の発信の仕方など、旅行の形態そのものを変えました。そういう意味では、地球上どこでも観光地になりうる時代なのです」(佐滝さん) 日本政府は、2030年に外国人旅行者を年間6千万人にする目標を掲げている。だが、受け入れる側の準備態勢が十分にできていないところに多くの観光客が殺到しているという現実がある。 先祖代々、京都の嵐山に住む40代の女性は、自宅庭に外国人観光客が入り込む件数が増え、毎晩、恐怖に怯えているという。 「英語で“私有地”と書いた張り紙を入口に貼ったのですが、お構いなしです。ある晩、外が騒がしいので庭を見たら、お酒を飲んで宴会してました。注意すると“公園で酒を飲んで何が悪いんだ!”と逆ギレされ……。母と2人暮らしなので、不安で仕方ありません」 ■自治体任せではなく国が音頭を取ること 北海道の小樽市では、小樽運河や歴史的建造物といった、写真映えするスポットが多くある。 それをお目当てに来た多くの外国人観光客が、小樽天狗山ロープウエイに向かう路線バスに列をなし、地元住民が乗車できない事態が頻発している。 また、首都高最大のパーキングエリア、横浜市の大黒PAには、クラシックカーや改造された日本車が集まる聖地として世界中からカーマニアが殺到。エリア内は撮影会場化している。 すでに深刻化している日本のオーバーツーリズム。打開策は? 「問題が起きている地域ごとに、さまざまな施策が始まっています。たとえば、観光客から入場料、宿泊税を徴収する。住民だけではなく、来た人にもお金を負担してもらい、整備等にかかる費用などに充てる。 ただ、外国人観光客は、1カ所だけに来るわけではなく、欧米人などは2~3週間日本にいます。行く先々で毎回500円、千円……と、お金を徴収されたら、“日本はウエルカムの国ではないのか”と思われるでしょう。 国は観光立国を宣言しているのですから、自治体任せにするのではなく、国が音頭を取るべきです。たとえば、日本に入国する際に一括して入国税のような形で徴収する。そこから問題のある地域に対策費として予算を配分する。このような施策もすぐに検討すべきでは」(佐滝さん) かつて日本人も、海外での迷惑行為を指摘されることがあった。「旅の恥はかき捨て」もいいが、せめて周りには迷惑をかけないように楽しんでほしい。
「女性自身」2024年6月25日号