寿命は約7年 進化する掃除機 多彩な製品が競演
掃除機市場が以前から様変わりしています。コンセントにコードを挿して使うキャニスター型が一般的でしたが、今ではコードレスの充電式スティック掃除機が当たり前になってきました。自動で掃除をしてくれるロボット掃除機も登場し、嫌いな家事の上位にいつも入る掃除の仕方にも変化が出てきています。有線タイプを愛用する新入社員が、使いやすく進化し続ける掃除機の現状について、ベテラン記者に聞きました。 【関連写真】モップ掛けなど多彩な製品が競演する掃除機 新入社員 掃除機って色々種類があるんでしょうか。 記者 以前はキャニスター型が中心で、キャニスター型の中でも紙パック式とサイクロン式に分かれていました。サイクロン式は英ダイソンが人気の火付け役となり、ゴミを集めるサイクロン部をスケルトン構造にするなどデザイン性からも支持を集めました。 コードレスタイプでも紙パック式とサイクロン式はあります。リチウムイオン電池の進化などもあって稼働時間を延ばせていることもあり、使い勝手の良い充電式スティック掃除機が今では市場の主力になっています。 他にもロボット掃除機や布団掃除機、ハンディ掃除機など用途に合わせて最適化した掃除機が製品化されていますよ。 新入社員 ちなみに、掃除機の市場規模はどのくらいなのでしょうか。 記者 掃除機は暮らしに欠かせない必需品で、複数台所有するユーザーも増えています。日本電機工業会(JEMA)に加盟する家電メーカーの年間出荷台数だけでも500万台以上あり、非加盟メーカーを入れると600万台前後の市場規模と言われています。 掃除という家事の性質上、使う頻度や雑に扱うことも多いため、掃除機の寿命は7年程度と言われています。ルームエアコンや冷蔵庫などに比べるとだいぶ短いと言えるでしょうね。 新入社員 市場は結構大きいんですね。 記者 JEMAの出荷統計を見ると、コロナ禍の2020年度は前年比11.7%増と2桁伸長しました。在宅時間の増加で掃除需要が高まったためです。21年度と22年度も前年伸長しましたが、直近の23年度は4年ぶりにマイナス成長に転じ、調整局面を迎えています。 ただ、24年度に入り、4月単月の出荷台数は前年同月比12%増と好調なスタートを切っています。 新入社員 在宅時間が増えて、掃除頻度も増えたんですね。確かに、家にいる時間が長くなると汚れた部分やごみが気になります。色々な掃除機がある中でも、コードレスタイプが人気なんですよね。 記者 かつてはコードの付いたキャニスター型が主力でしたが、近年ではコードレスの充電式スティック掃除機が主流となり、キャニスター型の需要は縮小しています。 充電式スティック掃除機は取り回しが良く、最新の出荷統計では掃除機全体の7割を占めるまでに拡大しています。30分やそれ以上使える製品もあるため、今では家中を1台で掃除することも可能で、1階から2階に持っていったり、階段を掃除したりするのもやりやすいです。ごみを収集する大型のダストボックスを専用の充電台に備え、充電した際にごみを集めて1カ月ほどごみ捨て不要になる製品もあります。毎回ごみを捨てるのも手間ですから、どんどん利便性が向上していますよ。 新入社員 使い勝手の良さが人気なんですね。私も買い替えようかな。 記者 充電式スティック掃除機は、電池がある分、持ち手の部分が重くなりがちですが、手首にかかる負荷の分散をはじめ、軽量化の追求が進んでいます。同時に、掃除機で重視される強力な吸引力、長時間運転、静音性など、使い勝手を中心に進化しています。 ごみの集じん方式も、サイクロン式が主流ですが、毎回のようにごみ捨てをしなくて済む紙パック式も見直されつつあります。 新入社員 毎日のように掃除するので、確かに使い勝手は大切ですよね。 記者 ロボット掃除機は、共働き世帯の家事負担を軽減する「救世主」として需要がどんどん増えています。センサーやAI(人工知能)を搭載して部屋をマッピングし、効率よく掃除するなど進化が目覚ましいです。ロボット掃除機は、IoT化が進んでおり、インターネットに接続してスマートフォンから操作できる製品も多いです。 他にも窓掃除ロボットや布団掃除機、水拭き掃除機など、清潔ニーズに応える多彩な製品が登場しています。大手からスタートアップまで国内外のさまざまなメーカーが参入し、競争が活発化しているのが、今の掃除機市場と言えるでしょう。
電波新聞社 報道本部