阪神・秦雅夫新オーナー、覇権奪還へ 藤川球児監督に期待「守りの野球で勝つ」「接戦で必ず勝ち切る采配を」
阪神は13日、秦雅夫球団会長(67)=阪神電鉄取締役会長=が2025年1月1日付でオーナーに就任すると発表した。会長職も兼任する。阪急電鉄出身者として初めて就任した杉山健博オーナー(66)は退任となる。秦新オーナーは大阪市内の阪神電鉄本社で会見し、育成路線の継続によるチーム強化を推し進め、常勝軍団構築を目指すことを誓った。 トップが交代しても、チーム強化の方針は不変だ。球団創設90周年の節目を託された秦新オーナーは会見の席上、この先も猛虎の歴史を勝利で彩ることを誓った。 「育成重視の編成方針を堅持した上で、甲子園という本拠地球場の特性を踏まえた、投手を中心とした守りの野球で勝つことを徹底し、常に優勝争いをする常勝軍団を目指していきたい」 野手陣は大山、近本、佐藤輝、森下らドラフト1位入団選手が順調に主力に育ち、投手陣も才木、村上らが台頭。自前で十分な戦力を整えた。そして、現役時代に救援投手として活躍した藤川新監督が就任。新総帥は新しい指揮官への期待も口にした。 「藤川監督には、時代の中心となれる新たな戦力を見いだしてチームの力を高めていってもらうこと、接戦であっても勝てる試合を必ず勝ちきるという采配、この2つを期待している」 異例の体制も終わる。2022年オフは〝阪急主導〟で監督人事が進められ、2年間の〝特例〟として岡田前監督の再登板が決定した。同年12月21日付で秦氏が球団会長に就いたが、オーナーには杉山氏が阪急電鉄出身として初めて就任。阪神球団史上初めてオーナー職と会長職を分離し、岡田前監督をサポートしてきた。2シーズンで日本一と2位という好成績を残した前指揮官が退任し、来年からは2つの要職を集約する従来の形になる。 「8年ほど前に電鉄の社長就任を引き受けたときよりもプレッシャーを感じている。ファンのみなさまが一番望んでいるのはリーグの覇権の奪還だと強く感じていますので、藤川監督のもと、これを実現をすることを期待しています」 秦新オーナーはタイガースの優勝を常に願う虎党の思いにも触れ、背筋を伸ばした。藤川虎へのサポートについても「必要だと判断した補強は当然バックアップしていきます」と惜しまない方針も示した。