韓国の朴槿恵大統領が反日的な4つの理由/辺真一「コリア・レポート」編集長
慰安婦問題を引き継いだ女性大統領
三つ目は、女性であるが故に、従軍慰安婦の問題では、これまた強硬に出ざるを得ないということです。 日韓関係悪化の引き金となった李前大統領の竹島上陸の原因の一つは、韓国側からすれば民主党政権下の2011年12月に行われた日韓首脳会談で李前大統領が善処を要望した慰安婦問題に野田総理が誠意を示さなかったことにあります。従って、懸案を引き継いだ朴大統領としては、日本側が誠意を示すまで、対日批判を強めざるを得ない立場にあります。 最後に、意外なことですが、経済的な理由があります。 韓国は日本と国交を結んで今年で48年となりますが、貿易額は1000億ドルに留まっています。一方、韓国と中国は修好からまだ21年ですが、貿易額は日韓の倍の2100億ドルを突破しています。貿易収支は日本とは慢性的赤字で、その額は近年、300億ドルに上ります。ところが、対中では400億ドル近い貿易黒字を出しています。金の切れ目が縁の切れ目といいますが、韓国人の対中重視、対日軽視の一端となっています。 ーーー 辺真一(ぴょん・じんいる) 東京生まれ。明治学院大学(英文科)卒業後、新聞記者を経て、フリージャーナリストへ。 1982年 朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」創刊。 1986年 テレビ、ラジオで評論活動を開始。 1998年 ラジオ短波「アジアニュース」パーソナリティー。 1999年 参議院朝鮮問題調査会の参考人。 2003年 海上保安庁政策アドバイザー。 2003年 沖縄大学客員教授。