バイデン氏の失点目立つ、与党内でも憂慮深まるか-米大統領選討論会
ただ、トランプ氏に失点がなかったわけではない。米国民の間での医療用麻薬「オピオイド」中毒に関する質問に対し、同氏は移民問題やロシアで身柄を拘束されている米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)記者について語るなどした。
虚偽や誇張の発言もあったほか、11月の大統領選の結果を受け入れることにコミットすることも拒んだ。
その後、討論会で年齢について問われたバイデン氏はトランプ氏(78)について、「この人物は3歳若いのに、劣化が激しい」と答え、「私の実績を見てもらいたい」と返答。トランプ氏は「子供じみた振る舞いはやめよう」と反論した。
焦点の経済問題
両氏はそれぞれ食料雑貨品や住宅費の上昇の責任は相手側にあると非難した。米有権者は投票判断に当たって経済問題を主な要素の一つと考えている。
バイデン氏には力強い雇用の伸びといった追い風や、製造業・インフラへの投資に絡む実績があるにもかかわらず、家計への高インフレの打撃が響き、同氏の経済政策運営に有権者が懐疑的であることが世論調査で示されている。
バイデン氏はトランプ前政権下の米経済について、「急降下の状態にあった」とし、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への対応も「大きな不適際があった」などと振り返った。
トランプ氏は大統領在任中の成果の一つとする減税に関し、株式市場の活況への道を開いたと擁護した。「過去最大規模の減税を実施し、規制撤廃も実現した」と胸を張った。
討論会が行われている最中、ドルは円やメキシコ・ペソなどに対し上昇し、ブルームバーグ・ドル・スポット指数は年初来高値を更新した。
ドルがじり高-トランプ氏が米大統領選挙討論で優位との見方
議会襲撃事件
トランプ氏は、2021年1月6日の同氏支持者による連邦議会議事堂襲撃事件の話題は避けようとし、バイデン氏はトランプ氏が議事堂に襲撃した支持者に対し何の介入もしなかったと批判した。
バイデン氏はまた、トランプ氏が不倫口止め料を不正に処理したとして罪に問われている刑事裁判で、計34件の虚偽記載の罪について陪審員団がいずれも有罪の評決を下した点に言及した。