インバウンド狙いホテル居抜き「リブランド」活況 外資・国内勢入り乱れ塗り変わる勢力図
こうした外資系の動きに対し、国内勢も地方の施設を中心にリブランドを進めている。
マイステイズ・ホテル・マネジメント(東京)は2022年7月、日本郵政の「かんぽの宿」などを「亀の井ホテル」にリブランドした。山本裕規執行役員は「国立公園内など一からは容易に進出できない好立地の宿もあり、国内外から集客が狙える」と指摘。土地特有の魅力を引き出すことで「前身の施設が築いた歴史や古さを長所に生かせる」と利点を話す。
菓子製造・販売のシャトレーゼHD(甲府市)は、広島県呉市から取得した保養施設を今年9月にリゾートホテル「シャトレーゼ ガトーキングダム せとうち」に再生した。100万坪の広大な敷地で、来年には見学可能な工場も建設する。設計・デザインを手がけた乃村工芸社は「菓子のファンは海外にも多く、ベッドを備えた和室を配備し、日本文化も感じられるようにした」とする。
小池氏は「都市部で過度に集中した訪日客需要は近隣住民の負担を増やすのみならず、外国人観光客の満足度も下げている。リブランドによる付加価値の向上が地方の観光需要の改善につながる可能性がある」と期待している。(田村慶子)