【特別ストーリー】乾貴士と権田修一。清水エスパルスの攻守を支える2人の言葉と背中
当の2人は勝負強くなったと感じていない?
もちろん日々精進という姿勢は、乾も同じ。「あと何年やれるかも分からないので、1日1日をしっかりと、楽しくやりたいと思ってます。去年からポジションも(トップ下に)変えてもらって、新しい楽しさもありますし、もっとうまくなりたい、もっと楽しくサッカーできるようにしたいと考えながらやってます」。彼自身が誰よりもサッカーを楽しむと同時に、サポーターにも見て楽しいサッカーを提供し続けている。 「乾さんも自分の経験を話してくれますし、何より一番大事なサッカーを楽しむ気持ちとか、なぜ自分たちがサッカーをやっているのかといった根本的なところを教えてくれている気がします」と11歳下の山原怜音は言う。サッカー王国・静岡のファンが喜ぶゲームを見せるという意味でも、乾の影響力は大きい。 昨年は勝点1、1ゴールの差で昇格を逃した清水。そのため今季は秋葉監督が「勝負強さ」に徹底的にこだわり、隙をなくすこと、細部まで精度を上げること、走力を上げること、球際で勝つことなどに注力してきた。 ■自分自身もチームもさらに成長できると信じている 乾や権田がそこを牽引してきたこともあって、昨年までより勝負強さが出てきたことは感じとれる。「2人の存在がなければ今年のエスパルスはないと思います」と山原も証言する。 ただ、当の2人は現段階では勝負強くなったと感じていないようだ。 「僕は勝負強さとか分からないので、その時、その時で一所懸命やるだけです。こういう(昇格&優勝争いの)シチュエーションというのはすごく楽しみですし、それを楽しみながら勝てるのがベストですね」(乾) 「勝負強くなれたかどうかは、今季が終わらないと分からないですよね。もっと言えば、来年J1に上がったとしたら、そこで何ができるかが答えになると思います」(権田) 自分自身もチームもさらに成長できると信じているからこそ、答えを急ぐことはない。考え方やチームに対するアプローチは異なる2人だが、日々の練習、目の前の試合に全力を尽くすことが未来のためにも何より大事だという点では、見事に一致しているようだ。 取材・文●前島芳雄(スポーツライター) ※サッカーダイジェスト2024/11月号から転載・加筆。
【関連記事】
- 「痛みが伝わってきた」まさかの一発退場...北川航也が清水J1昇格決定で“男泣き”! 膝から崩れ落ちるシーンに「泣いてしまう」「キャプテンありがとう」の声
- 「微量ながら貢献できたのなら良かった」異なるクラブで2年連続のJ1昇格。エスパ宇野禅斗の胸中は安堵感に包まれていた
- 「2年間大変お待たせしました」3年ぶりJ1復帰の清水が感謝のメッセージ! パートナー企業には「減額することなく、『必ず昇格しろ』と...」
- 「大谷翔平って何であんなに凄いの?」中村俊輔の素朴な疑問。指導者としてスーパースター育成にも思考を巡らせる
- 「ハマブルーでもあるね」横浜FCの人気スタジアムMCが青ビキニショット公開!「ちょっと最強すぎますって」などファン喝采