【BCリーグジュニア】元BCリーガ―がBCリーグジュニアチームの運営を通して感じたこと
26日から明治神宮野球場、ベルーナドームで開催される『NPB12球団ジュニアトーナメント』は、今年で20回目を迎える。近藤健介、森友哉、藤平尚真ら、日本を代表する選手を輩出してきた。今年のドラフトでも宗山塁(楽天1位=2014年広島ジュニア)、石塚裕惺(巨人1位=2018年千葉ロッテジュニア)ら8名が指名を受け、ますます注目度が上がっている。 【写真】エイジェックスポーツ科学総合センター 今大会に招待チームとして参加するBCリーグジュニアのトライアウトは8月に栃木県の『エイジェックスポーツ科学総合センター』で行われ、BCリーグ加盟チーム所在地8県の小学生238名が参加した。そのトライアウトの運営に関わった關口貴弘さんに話を聞いた。 關口さんが小学6年生だった2003年は、ジュニアトーナメントが創設される2年前にあたる。「NPBのユニホームを着て真剣勝負が出来るのも、OBの方の指導を受けられるのも本当にいまの子どもたちが羨ましいです」という言葉に、当時イチロー選手(元シアトル・マリナーズ)に憧れた野球少年の姿を感じることができた。東京で生まれ育ったこともあり、OB選手が指導に携わる野球教室を経験したことはあり、「自分たちの地域は恵まれていたんでしょうね」と振り返る。 今回、BCリーグジュニアのトライアウトや、栃木での練習の運営に携わり、強く感じたことがあった。今の小学生は以前に比べて、監督やコーチに積極的に質問をしたり、アドバイスをもらうことが出来ていると言う。トライアウトを受ける意欲や、合格するだけの実力がそれを後押ししていることもあるはずだが、野球上達のための情報が入手しやすくなっていたり、ジュニアトーナメントの普及も手伝って『プロ野球』という夢を現実的な『目標』と捉えやすくなっていたりすることなど、環境の変化もあるのだろう。ただ、間違いなく『積極的に話を聞く』ことは選手として、人間として必要な力のひとつだ。 自身もNPBを目指した關口さんは、白鴎大を卒業後、BCリーグ・群馬ダイヤモンドペガサスへ進んだ。大学の2学年上に岡島豪郎選手(楽天)、塚田正義氏(元ソフトバンク)がおり、彼らの存在が、少年時代に夢見た『NPB』という夢を改めて目標とする契機となった。「社会人でやるだけの力はなくて、できれば生まれ育った関東でやりたかった」という考えにマッチする環境がBCリーグだったのだ。 今後は、Baseball5などを通して野球の普及事業や、指導者の指導力向上への取り組みで『野球の将来を守る』活動をしていきたいと語る。日本のプロ野球は今年90周年を迎えたが、まだここまではこの先長い野球の未来からすれば、序章に過ぎないのかもしれない。 關口貴弘(せきぐち・たかひろ) 1991年4月7日生まれ/東京都足立区出身 岩倉高-白鷗大-群馬ダイヤモンドペガサス-高知ファイティングドッグス-栃木ゴールデンブレーブス
アスリートマガジン編集部